MARSTONレーベル(アメリカ)

19世紀末~20世紀初頭に活躍した「バリトンの王者」
マッティア・バッティスティーニ全録音集
56002-2(6CD,5枚価格)
「マッティア・バッティスティーニ 全録音集1898-1924」
マッティア・バッティスティーニ(バリトン)
ADD 7h47m

「GRAMOPHONE & TYPEWRITER社 1902年、ワルシャワ」
①モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」―ワインで頭が熱くなるまで
②ワーグナー:「タンホイザー」―夕星の歌(イタリア語歌唱)
③チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」―もし家庭の枠の中に(イタリア語歌唱)
④モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」―さあ窓辺においで
⑤アルヴァレス:ラ・マンティージャ
⑥デンツァ:妖精の瞳
⑦トスティ:もう一度
⑧ルビンシテイン:「デーモン」―泣くでない、娘さん(イタリア語歌唱)
⑨ロッシーニ:「セビリアの理髪師」―私は町の何でも屋
⑩グノー:「ファウスト」―この地を離れる前に(イタリア語歌唱)
⑪ドニゼッティ:「ファヴォリータ」―ああ!強い情熱
 共演:⑪ティルデ・カロティーニ(メッゾソプラノ)

「GRAMOPHONE & TYPEWRITER社 1906年11月 ミラノ」
①コッキ:「祖国のために」―今やはっきりと素晴らしい幻が私に姿を現す
②ヴェルディ:「エルナーニ」―ああ、私の青年の頃よ
③ヴェルディ:「仮面舞踏会」―あなたの生命に
④ヴェルディ:「エルナーニ」―見てやろう、ああ、不敵な老人め〔2種〕
⑤ヴェルディ:「エルナーニ」―私と一緒に行こう
⑥ヴェルディ:「エルナーニ」―ああ、至高のカルロよ
⑦モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」―あそこで手を取り合って
⑧フロト:「マルタ」―リオネルが死んでしまう(イタリア語歌唱)
⑨ドニゼッティ:「ファヴォリータ」―大きな愛に
⑩ドニゼッティ:「ドン・セバスティアン」―ああ、リスボン、おお私の祖国よ!(イタリア語歌唱)
⑪ヴェルディ:「仮面舞踏会」―お前だったのか
⑫ベルリオーズ:「ファウストの劫罰」―ここに薔薇があり(イタリア語歌唱)
⑬エロール:「ザンパ」―どうしてあなたは震えるのか(イタリア語歌唱)
 共演:
 ②⑤⑥⑦エミーリア・コルシ(ソプラノ)
 ④⑥アリストデモ・シリク(バス)
 ⑤⑥合唱
 ⑥ルイージ・コラッツァ(テノール)

「THE GRAMOPHONE COMPANY社 1911年6月 ミラノ」
①レオンカヴァッロ:「道化師」―よろしいですか?
②マスネ:「ウェルテル」(イタリア語バリトン版)―私の胸に
③マスネ:「ウェルテル」(イタリア語バリトン版)―私を目覚めさせないのか
④トマ:「ハムレット」―萎れた花のように(イタリア語歌唱)
⑤グノー:夕べ/⑥トスティ:愛、愛!
⑦プッチーニ:「トスカ」―三人の巡査と、馬車一台[テ・デウム](2種)
⑧トマ:「ハムレット」―酒が悲しみを晴らす(イタリア語歌唱)
⑨マスネ:「タイス」―水で手と唇を潤そう(イタリア語歌唱)
⑩ワーグナー:「タンホイザー」―君は大胆な歌で(イタリア語歌唱)
⑪グノー:「ファウスト」―この地を離れる前に(イタリア語歌唱)
⑫ベッリーニ:「清教徒」―ああ!永遠に君を失ってしまった
⑬マスネ:「タイス」―水で手と唇を潤そう(イタリア語歌唱 2種)
⑭ドニゼッティ:「マリア・ディ・ロアン」―美しく輝かしさに包まれ
⑮ベッリーニ:「清教徒」―幸せな美しい夢よ
⑯ヴェルディ:「トラヴィアータ」―プロヴァンスの海と陸
⑰ワーグナー:「タンホイザー」―この高貴な仲間たちを見れば(イタリア語歌唱)
⑱ワーグナー:「タンホイザー」―夕星の歌(イタリア語歌唱)
⑲デンツァ:崇拝/⑳トスティ:理想の人/㉑クァランタ:ああ、私の愛しい人よ
㉒ロトーリ:私の妻は私の旗になるだろう/㉓トスティ:ラ・セレナータ/㉔ロトーリ:黒いゴンドラ/
㉕トスティ:私をもう愛してはいない(2種)/㉖ロトーリ:私の妻は私の旗になるだろう
 共演:
 ⑨エベ・ボッコリーニ(ソプラノ)
 ⑬アッティリア・ヤンニ(ソプラノ)

「THE GRAMOPHONE COMPANY社 1912年5月 ミラノ」
①マイヤベーア:「アフリカの女」―王家の娘(イタリア語歌唱)
②マイヤベーア:「アフリカの女」―だが彼のため、ヴァスコのため(イタリア語歌唱)
③マイヤベーア:「アフリカの女」―私を踏み潰せ、雷よ!(イタリア語歌唱)
④ドニゼッティ:「リンダ・ディ・シャモニー」―二人ともこの谷間に生まれ
⑤ヌゲ:「どこに行く?」―海を渡り漂い(イタリア語歌唱)
⑥ヌゲ:「どこに行く?」―見ろ、ポイベ自らが(イタリア語歌唱)
⑦ドニゼッティ:「ルチア」―残酷でいまわしい苛立ちが
⑧レオンカヴァッロ:「道化師」―僕の運命を決めてくれ
⑨レオンカヴァッロ:「道化師」―ではどうして
⑩ヴェルディ:「リゴレット」―ああ私のジルダよ!
⑪ドニゼッティ:「リンダ・ディ・シャモニー」―シルヴァル子爵の善良な召使が
⑫ヴェルディ:「トラヴィアータ」―天使のような清らかな娘を
⑬ロッシーニ:「ギヨーム・テル」―動かずにいるのだぞ(イタリア語歌唱)
⑭ヌゲ:「どこに行く?」―友よ、これが待望の時だ(イタリア語歌唱)
⑮ヴェルディ:「オテッロ」―ある夜のこと
⑯シューベルト:喜び(D365-2による)
⑰マスネ:「エロディアード」―束の間の幻影(イタリア語歌唱)
⑱ヴェルディ:「マクベス」―哀み、敬意、愛も
⑲ルビンシテイン:「ネロン」―ヒュメナイオスよ!(イタリア語歌唱)
⑳デンツァ:妖精の瞳
 共演:⑧-⑫マリア・モシュチスカ(ソプラノ)

「THE GRAMOPHONE COMPANY社 1913年6月」
①モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」―さあ、窓辺においで
②ドニゼッティ:「ファヴォリータ」―オイデ、レオノーラ
③トスティ:魅惑
④ヴェルディ:「ドン・カルロ」―最後の日が来た
⑤ヴェルディ:「ドン・カルロ」―ああ、カルロ、聞いてくれ
⑥ヴェルディ:「仮面舞踏会」―見てみろ、夜に
⑦ヴェルディ:「エルナーニ」―見てやろう、不敵な老人が
⑧ヴェルディ:「トロヴァトーレ」―ご覧ください、この苦い涙を
⑨ヴェルディ:「トロヴァトーレ」―彼が生きると!
⑩グノー:「ファウスト」―よく聞いておくれ、マルゲリート!(イタリア語歌唱 2種)
⑪ヴェルディ:「仮面舞踏会」―見てみろ、夜に
 共演:
 ⑥-⑪エルヴィラ・バルビエーリ(ソプラノ)
 ⑥⑦⑪ヴィンチェンツォ・ベットーニ(バス)
 ⑥⑪合唱
 ⑦ジュゼッペ・トンマジーニ(テノール)

「La Societe Suisse des Disques Phonographiques d’Art社 1920年頃 チューリヒ」
トスティ:理想の人/ジョルダーニ:私の愛しい人よ

「THE GRAMOPHONE COMPANY 1921年5月、ミラノ」
①アルヴァレス:マンティージャ
②マスネ:「ラホールの王」―私の未来の約束よ(イタリア語歌唱)
③カリッシミ:勝利だ、私の心よ!
④マルケッティ:「ルイ・ブラス」―私の敵たちに
⑤ヴェルディ:「ドン・カルロ」―最後の日が来た
⑥ワーグナー:「タンホイザー」―夕星の歌(イタリア語歌唱)
⑦ヴェルディ:「エルナーニ」―ああ、至高のカルロよ
⑧ヴェルディ:「リゴレット」―そうだ、復讐だ!
⑨ポンキエッリ:「ジョコンダ」―陶酔!狂喜!
⑩ドニゼッティ:「マリア・ディ・ロアン」―死の不吉な声が(2種)
⑪ドニゼッティ:「ファヴォリータ」―お前の敵の怒りは(2種)
⑫ヴェルディ:「運命の力」―宿命の箱よ
⑬ヴェルディ:「運命の力」―奴が助かった!
⑭ドニゼッティ:「マリア・ディ・ルーデンツ」―ああ!もはや涙は
 共演:
 ⑦ジュゼッペ・タッカーニ(テノール)
 ⑦ヤンニーナ・デ・ウィット(ソプラノ)
 ⑦合唱
 ⑧ルル・ヘイズ(ソプラノ)

「THE GRAMOPHONE COMPANY 1924年2月、ミラノ」
ヴェルディ:「運命の力」―宿命の箱よ/
ヴェルディ:「仮面舞踏会」―あなたの人生に/
ドニゼッティ:「ファヴォリータ」―それほどの愛に/
ヴェルディ:「ドン・カルロ」―ああ、カルロ、聞いてくれ/
ヴェルディ:「仮面舞踏会」―お前だったのか/
モーツァルト:「フィガロの結婚」―もう飛べないぞ/
グルック:「パーリデとエレナ」―ああ、私のやさしい熱情の
デンツァ:分かってくれていたら/
ゴメス:「ガラニー族」―家もなく、隠れるところもなく
モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」―さあ、窓辺においで/
アルヴァレス:別れ

補遺1 「1898年頃 ベルリン 私的なシリンダー録音」
ワーグナー:「タンホイザー」―夕星の歌(イタリア語歌唱 尻切れ)

補遺2 ジュゼッペ・ベッラントーニ バリトン・アリア集
①デンツァ:妖精の瞳/
②トスティ:最後の歌/
③ヴァレンテ:愛想の良い月
④グラッフェオ:キアニュテッダ・ミア
⑤ヴェルディ:「仮面舞踏会」―あなたの人生に
⑥パチーニ:「サッフォ」―あなたの声の響きが
⑦パチーニ:「サッフォ」―残忍な復讐の女神が
⑧マスネ:「エロディアード」―束の間の幻影(イタリア語歌唱)
⑨マルケッティ:「ルイ・ブラス」―私の敵たちに
⑩ワーグナー:「ジークフリート」―目覚めよ、ヴァラ!(イタリア語歌唱)
 ジュゼッペ・ベッラントーニ(バリトン)
 ①-⑤1910年3月
 ⑥1911年1月
 ⑦1911年2月
 ⑧⑨1910年10月
 ⑩1910年11月、1911年1月
※マッティア・バッティスティーニ(1856-1928)の全録音をMarstonが復刻。バッティスティーニは19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したイタリアの偉大なバリトン。彼の朗々と響き渡る美声だけでも比類ないものだが、加えて滑らかで気品高い歌いまわしに長け、力強さも十分持っていた。彼は「バリトンの王者 Il re dei baritoni」と讃えられ、絶大な人気を博した。当時はヴェリズモ・オペラ全盛だったが、バッティスティーニはむしろドニゼッティやヴェルディ、フランスオペラなどを得意としていた。かのマスネがバッティスティーニのために「ウェルテル」のタイトルロールをバリトン用に手直ししてあげたことは有名である。この6CDセットは、1902年から1924年までのバッティスティーニの商業録音のすべて(8曲の未発表録音を含む)に加え、1898年頃に2分の蝋管録音に私的に録音した夕星の歌も含めており、まさに完全全録音集。古い録音を越えてバッティスティーニの至芸が楽しめる。
なお余白には、バッティスティーニよりもう二世代後のイタリアのバリトン、ジュゼッペ・ベッラントーニ(1880―1946)の1910―1911年の録音を収録している。