BMOPサウンド(アメリカ)
ジャズ・ピアニストとしても超一流ヴィジェイ・アイヤー作品集!
BMOP 1099(SACDハイブリッド)
ヴィジェイ・アイヤー(b.1971):管弦楽作品集
①アサンダー(2017)
②トラブル(乱れ) (2017)~ヴァイオリンと室内管弦楽のための
③クライシス・モード(2018)~打楽器と弦楽のための
ギル・ローズ(指揮)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
②ジェニファー・コー(Vn)
録音:
①2021年9月9日ウォーセスター、メカニクス・ホール
②2018年12月4日ボストン、フレイザー・スタジオ
③2021年6月16日ウォーセスター、メカニクス・ホール [72:21]
※ヴィジェイ・アイヤーはインド系タミール人の移民としてニューヨークで生まれた中堅作曲家。現代音楽の作曲家のみならず、ジャズ・ピアニストとしても著名でECMレーベル等から多数のアルバムを発表している。
このアルバムは彼の最近の管弦楽曲を収録。「アサンダー」は管弦楽の効果が最大限に生かされたダイナミックな音楽で、ややジョン・アダムズを思わせるミニマル風の音楽。全6楽章からなるヴァイオリン協奏曲「トラブル」はフィリップ・グラス風の楽章ありジャズ風の楽章あり、ベルク風、無調のゲンダイ・オンガク風の楽章あり、と楽章ごとに様々なスタイルが折衷され、文字通り、聴き手の心をひっかきまわす「乱れ」の音楽。アメリカ・グラミー賞受賞ヴァイオリニスト、ジェニファー・コーが好演。
ガーシュイン、コープランドの先駆者
ジョン・オールデン・カーペンターのバレエ音楽作品集!
BMOP 1100(SACDハイブリッド)
ジョン・オールデン・カーペンター(1876-1951):バレエのための音楽全集
①ジャズ・パントマイム「クレージー・カット」(1921.rev.1940)
②バレエ・パントマイム「王女の誕生日」(1917.rev.1940)
③現代アメリカ生活のバレエ「スカイ・スクレイパーズ」(1926)
ギル・ローズ(指揮)ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
録音:①③2019年10月1日、②2021年11月9日、何れもマサチューセッツ、メルローズ・メモリアル・ホール [71:40]
※ジョン・オールデン・カーペンターはイリノイ州の裕福な実業家の家に生まれ、ハーバード大学で作曲を学んだ後、イギリスでエドワード・エルガーにもレッスンを受けたこともある。バレエのための作品の他、交響曲もいくつか作曲しており、彼の交響曲第2番はブルーノ・ワルターがニューヨーク・フィルを指揮して初演した。
このアルバムには彼のバレエのための全ての作品が収められており、彼の音楽を知る上で最適な一枚。彼の音楽は近代フランスの印象主義(特にラヴェル)やジャズ、ラテン音楽の影響が色濃く感じられる。「王女の誕生日」は舞台がスペインということもあり、ファリャやラヴェルのスペイン風の音楽のスタイルが意図的に模倣されている。「スカイ・スクレイパーズ」ではアイヴズ風の複調やストラヴィンスキー風のリズムが折衷された野心作。ガーシュウィン、コープランドが表舞台に現れる以前のアメリカ作曲界を知る上で興味深いディスクである。