ジンマン、エッシェンバッハ、ヨーヨー・マなども取り上げる作曲家クリストファー・ラウズの協奏曲集!/他、新譜5タイトル

ALBANYレーベル(アメリカ)

ジンマン、エッシェンバッハ、アラン・ギルバート、ヨーヨー・マなども取り上げる作曲家
クリストファー・ラウズの協奏曲集!
TROY 1979
クリストファー・ラウズ(b.1949):協奏曲集
①ヘイムダールのトランペット
②オーボエ協奏曲 
③バスーン協奏曲

デヴィッド・アラン・ミラー(指揮)
アルバニー交響楽団
①エリック・バーリン(トランペット)
②キャサリン・ニードルマン(オーボエ)
③ピーター・コルケイ(バスーン)
録音:①③2021年12月12日、②2016年10月24日、トロイ貯蓄銀行ミュージックホール、72:54
※クリストファー・ラウズは1949年ボルティモア生まれ。ピューリッツァー賞とグラミー賞を受賞している。様々なジャンルの音楽を身に付けたラウズは、ニューヨークタイムズ誌で『周囲の記憶に最も残る音楽を書く人物』と紹介された。1986~89年までボルティモア交響楽団のコンポーザー・イン・レジデンスを、2012~15年までニューヨーク・フィルのマリー=ジョゼ・クラヴィス記念コンポーザー・イン・レジデンスを務めた。現在はジュリアード音楽院で教鞭を取っている。
「ヘイムダール」は北欧神話に登場する光の神。角笛ギャラルホルンの持ち主で、この角笛が鳴らされた時にラグナロック(神々の滅亡)が起こる。タイトルはこれに由来しておりダイナミックな曲想。オーボエ協奏曲は2004年にミネソタ管弦楽団からの委嘱で作曲された。バスーン協奏曲は伝統的な(急―緩―急)3つの楽章で構成され、オーケストラパートは控えめでシンプルになっている。2曲の木管楽器の協奏曲はソロを生かした楽しめるものになっている。

※その他ALBANYレーベル新譜
TROY 1974
ダグラス・J・クオーモ(b.1958):モノドラマ「荒涼とした冬」
~ヴィルヘルム・ミュラーの「冬の旅」に基づく
【おやすみ/風見鶏/凍った涙/かじかみ/菩提樹/あふれる涙/鋭い石(川の上で)/
 回想/火花(鬼火)/憩い/春の夢/孤独/私の心、私の本質(郵便馬車)/
 白髪頭(霜おく頭)/烏/最後の希望/村で/嵐の朝/妄想(幻覚)/
 道標/旅籠/勇気/3つの太陽(幻の太陽)/ハーディー・ガーディー弾き(辻音楽師)】

トニー・ブーテ (テノール)
アラン・ジョンソン(指揮・ピアノ)
フランク・ロンドン(トランペット)
ダグラス・J・クオーモ(ギター・電子楽器・オルガン)
録音:2021年9月12・13日 ブルックリン・バンカー・スタジオ、74:20
※アメリカン・オペラ・プロジェクトと共に企画・作曲され、ピッツバーグ・オペラにより初演されたモノドラマ。シューベルトが『冬の旅』に使用したヴィルヘルム・ミュラーの連作詩集に基づいているが、英語訳されて時代設定は完全に現代に置き換えられている。この事によりカッコで記した様に、タイトルが原作詞とは違う個所がある。
ダグラス・J・クオーモは1958年生まれ。元々はジャズギタリストだったが、テレビの劇伴を数多く手掛ける様になり作曲家に転身した。映画音楽では『セックス・アンド・シティ』が特に有名である。

TROY 1975
「チェイシング・ホーム/アパラチアの春」
ジョセフ・サルケン:チェイシング・ホーム(2017)
(導入/逃亡/有り得ないロマンス/軍事基地/難民キャンプ:人生は続く、子供のゲーム/
結婚式、祝いと攻撃/水辺、海への旅と新しい岸辺への到着/遺教の地の異邦人)
コープランド:「アパラチアの春」組曲(オリジナル版)
(非常にゆっくり/アレグロ:イーデンヴァレー/モデラート:新郎新婦/
 速く:リヴァイヴァリストとその信者たち/アレグロ:花嫁のソロダンス/非常に緩やかに/
 シェイカー教の讃美歌による変奏曲『シンプルギフト』/モデラート:コーダ)

リチャード・マッケイ(指揮)
ダラス・チェンバー・シンフォニー
録音:2021年4月19、20日ムーディ・パフォーマンスホール(ダラス)、49:35
※ジョセフ・サルケンは、アメリカの作曲家、指揮者、ピアニスト。ジュリー・アンドリュース、ルネ・フレミング、ロリン・マゼール等の有名アーティストから音楽監督、アレンジを依頼されている。また、2019年にはニューヨーク・フィルの春のガラコンサートのオーケストレーションを手掛けている。ノースウエスタン大学に学び、チューリッヒオペラやアーヘン州立劇場で指揮者、ピアニストとして活躍。
この1枚はアメリカのバレエ音楽をカップリングした好企画盤。1944年の『アパラチアの春・オリジナル版』と、2017年の『チェイシング・ホーム』は雰囲気もマッチしていて、作曲年代の隔たりを感じることはない。どちらも小編成のオーケストラでピアノが入っている為か、響きが重くなる事がなく本当にバレエの舞台を彷彿とさせてくれている。

TROY 1976
「アワーズ」~セシル・プライス・ウォルデン歌曲集
①朝は本当に来ますか?(エミリー・ディキンソン)/②悲しみ(ルイーズ・クリフトン)/
③目的(サラ・ティーズデール)/④何故あなたの素敵な顔を陰にするのか?(フランシス・クォールズ)/
⑤教会の歌(十字架のヨハネ)/⑥パッセージ Ⅰ/⑦真夜中の大西部鉄道(トーマス・ハーディ)/
⑧彼らは何処に(典礼文)/⑨あなたは隣人の神です(リルケ)/⑩深き淵より(典礼文)/
⑪パッセージ Ⅱ/⑫春の激流(サラ・ティーズデール)/⑬鋼鉄の祈り(カール・サンドバーグ)/
⑭ああ、生きた愛の炎よ(十字架のヨハネ)/⑮新しい花が咲きますように(ルイーズ・クリフトン)/
⑯われらに平和を与えたまえ(典礼文)

アリス・アン・ライト(メッツォ・ソプラノ)
セシル・プライス・ウォルデン(ピアノ)
録音:2023年1月9-11日カンサスシティ [47:22]
※ウォルデンは、ミシシッピ大学で音楽、ジェンダー研究、南部の文化について学ぶ。南部の伝統文化と新しい文化の双方が音楽的、文学的な豊かさを生み出しているウォルデンのベースになっている。ミシシッピ州の創立200周年記念として委嘱された『聖なる空間』はミシッシピ公民博物館の開館式とカーネギーホールで演奏された。
『アワーズ』全16曲は切れ目なく作曲されている。英語、スペイン語、ドイツ語、の文学作品から選ばれた詩とラテン語の典礼文に作曲された。祈りたいという願望のための作品である。
アリス・アン・ライトはオペラ、ミュジカルシアター、リサイタルと多方面で活躍し、また作曲家と共に新作の創作活動にも積極的である。このアルバムも作曲者ウォルデンとの共同作業によるものである。

TROY 1977
「フレームズ・ウィル・グロウ(炎は大きくなる)」
~現代サクソフォン作品集
①キーン・サザード(b.1987):思索と表明
②‐⑤フィリップ・ユーレル(b.1955):提示された作品(Ⅰ~Ⅳ)
⑥ドミニク・ディオリオ(b.1984):炎は大きくなる
⑦モリー・ジョイス(b.1992):月の露
⑧エリック・ウッベルス(b.1980):ディスイズ・ディスイズ・ディスイズ
⑨アンドリュー・シグラー:あらゆるパニックを乗り越えて
⑩ワン・ジエ(b.1980):ノーズ・オン・ファイアー

アリソン・ドロムゴールド・アダムズ(サクソフォン)
①⑥⑧⑨⑩アンドレア・ロッジ(ピアノ、プリペアードピアノ)
⑥リズ・ブーク(メッツォソプラノ)
録音:
①⑥2017年6月ノックスヴィル大学 パウエル・リサイタルホール
②-⑤2012年6月テンペスト・レコーティング・スタジオ
⑦⑩2023年9月トゥルナウアー音楽学校 エリック・ブラウン劇場
⑧⑨2019年10月8、9日アデルフィ大学パフォーミング・アーツ・センター
[76:57]
※アリソン・アダムズによる現代のサクソフォン作品集。
「思索と表明」はアリソン・アダムズの委嘱により2013年に作曲された。キーン・サザードはイーストマン音楽学校、コロラド大学ボルダー校、ボールドウィン・ウォーレス大学音楽院に学んだ。「提示された作品」は無伴奏テナーサックスのための作品。フランスのサックス奏者、クロード・ドラングルのために作曲された。フィリップ・ユーレルはフランスの作曲家。フランス現代音楽の中でも『スペクトル楽派』と言われる音響分析や合成によって音楽を創造するグループの1人。「炎は大きくなる」はペルシャ文学史上最大の神秘主義詩人であるルーミー(1207-1273)の『炎の噴水』を英訳したテキストに作曲された。ディオリオはアメリカの作曲家、指揮者。現代ヴォーカルアンサンブル”NOTUS”、”メンデルスゾーン合唱団”(フィラデルフィア)の芸術監督を務めている。「月の露」は無伴奏アルトサックスのための作品。モリー・ジョイスはジュリアード音楽院、ハーグ王立音楽院などで学んだアメリカの作曲家、パフォーマー、レコーディングアーティスト。「ディスイズ、ディスイズ、ディスイズ」はアルトサックスとプリペアードピアノのための作品。エリック・ウッベルスはアメリカの作曲家、ピアニスト、パフォーマー。「あらゆるパニックを乗り越えて」はアリソン・アダムズのために作曲された、テナーサックスとピアノのための作品。アンドリュー・シグラーは、室内アンサンブル、オーケストラ、ダンス、劇場音楽で数々の賞を受けている。テネシー州ノックスヴィル大学で助教授を務めている。「ノーズ・オン・ファイアー」元々はクラリネットとピアノのためのソナタであったが、アリソン・アダムズのリクエストでアルトサックスとピアノのために再構想された作品。ワン・ジエは1980年上海生まれ。5歳でピアノの天才として知られる。マンハッタン音楽学校から奨学金を得て、2000年に渡米。ニルス・ヴィーゲラン、リチャード・ダニエルブールに作曲を師事した。

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