ODRADEK RECORDSレーベル(アメリカ)
新世代のマーラー像のイコン、ここに降臨!
ガウデンツ&イェナ・フィルのマーラー:交響曲全集第3弾!
ODRCD 450(3CD,2枚価格)
「マーラー:交響曲全集Vol.3」
①スカルタッツィーニ(b.1971):「オーメン」(2023)[5:09]
②マーラー:交響曲第6番「悲劇的」(1903-1904)[81:00]
③スカルタッツィーニ:「オーメン-オルクス」(2023)[10:50]
④マーラー:交響曲第7番「夜の歌」[76:40]
ジモン・ガウデンツ(指揮)
イェナ・フィルハーモニー管弦楽団
録音:①②2023年3月21-24日、③④2023年5月9-13日、フォルクス・ハウス,イェナ・チューリンゲン・ドイツ
[55:43]/[63:22]/[54:41]
※スイスの現代音楽の作曲家アンドレア・ロレンツォ・スカルタッツィーニとマーラーの交響曲をカップリングしたシリーズ第3弾。スカルタッツィーニはスイスのバーゼル出身でルドルフ・ケルターボーンとヴォルフガング・リームに作曲を師事した。ザルツブルク・イースター音楽祭、ルツェルン音楽祭、ダルムシュタット夏期現代音楽講習会で作品が取り上げられているほか、ヨーロッパの多くの団体によって作品が演奏されている。リームの影響を受けた新表現主義とでも言うべき劇的な作品でマーラーの交響曲とのカップリングは非常に相性がよい。スカルタッツィーニの新作「オーメン」の終盤のクライマックスの一撃から間髪入れずマーラーの交響曲第6番が始まるようになっており、あたかも同じ作品もしくはスカルタッツィーニがマーラーの交響曲を引用したかのような編集になっている。なお第6番は通常の第2楽章と第3楽章が入れ替えて演奏しており、第2楽章があの美しい緩徐楽章となっている。ジモン・ガウデンツの指揮するマーラーは音楽の造形をくっきりと堅実に作り上げる一方、非常に激情的でドラマティック。21世紀の新しいマーラー像ここにあり、といった印象でマーラー・ファンは必聴。
※その他ODRADEK RECORDS新譜
ODRCD 412
「ALTUS」~2つのギターで聴くモーツァルト、シューベルト、ハイドン
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第15番ハ長調KV.533/494(ヘ長調に移調編曲)
シューベルト:ピアノのための小品第2番D.946
ハイドン:アンダンテと変奏へ長調HobXVII:6
(ギター編曲:ヴィンチェンツォ・ギュラ)
ババク・ババイエ(Gtr)
ヴィンチェンツォ・ギュラ(Gtr)
録音:2020年10月6-8日、2021年2月26-28日、2022年10月13-14日、スタジオ・オドラデク [48:23]
※モーツァルトのピアノ・ソナタとシューベルト、ハイドンのピアノ作品を2つのギターで演奏するという極めてユニークな企画のディスク。編曲の見事さとあいまって、まるで最初から2つのギターのために書かれたと思われるほど自然で美しい音楽。ギタリストのババク・ババイエは1987年テヘラン出身、ヴィンチェンツォ・ギュラは1984年イタリア出身のともに若手。オドラデクの録音の美しさもあって楽しめる内容。モーツァルト、シューベルト、ハイドンにギター作品はないだけに新しい発見の連続。
ODRCD 422(2CD)
「ライズ(上昇)」~革命的なロシアのチェロ音楽
CD1)「ロシア革命後のチェロ音楽」
アレクサンドル・ゲディケ(1877-1957):3つの小品(1919)
ミハイル・スネシン(1883-1957):「3つの旋律」~プーシキンの「石の客」による性格的小品(1938-1939)
アレクサンドル・グレチャニノフ(1864-1956):チェロ・ソナタ(1927)
アラム・ハチャトゥリアン(1903-1978):2つの小品(1926-27)
アレクサンドル・チェレプニン(1899-1977):チェロ・ソナタ(1924)
CD2)「第2次世界大戦後のチェロ音楽」
ミハイル・スネシン:主題と変奏(1953)
アレクサンドル・チェレプニン:4つの歌と踊り(1953)
ディミトリ・カバレフスキー(1904-1987):「ロンド~プロコフィエフの追憶に」(1965)
ミエチスワフ・ヴァインベルク(1919-96):チェロ・ソナタ第2番(1958/59)
ディミトリ・ショスタコーヴィチ(1906-75):バレエ組曲第2番より「2つの小品」(1951)(レフ・アトミャン編曲)
ティホン・フレンニコフ(1913-2007):チェロ・ソナタ(1990)
リュボフ・ウリビシェワ(Vc)
ジェームズ・クライリング(Pf)
録音:2022年4月6-13日スタジオ・オドラデク・ザ・スフィアース [74:55]/[79:16]
※ディスク1にロシア革命後の、ディスク2に第2次大戦後の作品を収め、時代がロシアの音楽にどう影響を与えたかをチェロとピアノのための作品でたどるユニークな企画のアルバム。ディスク1では19世紀ロマン派の影響が色濃く反映された作品が主流。ディスク2では二つの大戦後の作品だけにモダニズムの影響も見られるが、社会主義リアリズムの理念に基づいた明快な作品が中心となっている。フレンニコフ、スネシン、グレチャニノフなど普段作品を聴く機会の少ない作曲家の作品が収められているだけにロシア音楽ファンは必聴。
ODRCD 455
「比類なきリストVol.2」
フランツ・リスト(1811-1886):
死のチャルダッシュ/即興曲/ハンガリー狂詩曲第2番/
葬送前奏曲と葬送行進曲/メフィスト・ポルカ/
我らが主イエス・キリストの変容の祝日に/トッカータ/
メフィスト・ワルツ第3番/
ヘンデルの歌劇「アルミラ」よりサラバンドとシャコンヌ/
チャイコフスキーの歌劇「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズ/
調性のないバガテル
マイケル・ケイコフ(Pf)
録音:2023年9月25日、10月30日ニューヨーク、スキルマン・ミュージック [59:11]
※前作ODRCD428に続く「比類なきリスト」の第2弾。前作ではロ短調のソナタを中核に「悲しみのゴンドラ」ほかの小品を収録していたが、今回はハンガリアー狂詩曲、メフィスト・ワルツなどの名曲のほか、オペラの旋律による幻想曲そして音楽史上、重要な「調性のないバガテル」を収録。前作同様、マイケル・ケイコフは超絶技巧のこれらの曲を極めて明快に一点の曇りも迷いもなく弾き切り見事。オドラデクの録音の優秀さも相まっておびただしい音符の一粒一粒がクリスタルのように輝いて美しい。