①新3大Bの饗宴!?バッハ:チェロ・ソナタ全3曲+ベリオ、ブーレーズ!②アンカ・ヴァシーレ・カラマンのパガニーニ、バッハに続く無伴奏ヴァイオリン作品第3弾!/他、新譜6タイトル

STRADIVARIUSレーベル(イタリア)

新3大Bの饗宴!?
バッハ:チェロ・ソナタ全3曲+ベリオ、ブーレーズ!
STR 37215
「コレスポンデンス」~バッハ:チェロ・ソナタとベリオ&ブーレーズ
J.S.バッハ(1685-1750):チェロ・ソナタ第1番ハ長調BWV1027
ルチアーノ・ベリオ(1925-2003):セクエンツァXIV(2002)~無伴奏チェロのための
J.S.バッハ:チェロ・ソナタ第2番ニ長調BWV1028
ピエール・ブーレーズ(1925-2016):「12のノタシオン」~ピアノのための
J.S.バッハ:チェロ・ソナタ第3番ト短調BWV.1029

マルティナ・ルディッチ(Vc)
ミケーレ・ガンバ(Pf)
録音:2021年ミラノ[69:45]
※バッハの本来はヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのための2つのソナタを間に挟みつつ現代の独奏チェロの名曲ベリオのセクエンツァXIV(コンクールで取り上げる演奏家も多い)、ブーレーズ初期の傑作ピアノ独奏曲「12のノタシオン」を配したユニークなアルバム。ベリオ作品では特殊奏法を含むチェロのあらゆる機能、可能性が追及される。意外にも民族的なリズムも現れ、前衛音楽だが親しみ易い作品。ブーレーズのノタシオンは12音技法で書かれた名作。バッハ、ベリオ、ブーレーズのカップリングからヨーロッパ音楽史のこれまで見えなかった新たな側面が見えてくるか?チェロのマルティナ・ルディッチはクロアチア出身。ヴェルディ音楽院で学び、アバド率いるマーラー・ユーゲント・オーケストラに参加、現在はソロ、室内楽で活躍する才媛。ピアノのミケーレ・ガンバはミラノ出身。ルディッチと同じヴェルディ音楽院でピアノと作曲を学び現在は指揮者としての活動も始めている若き俊英。

アンカ・ヴァシーレ・カラマンの
パガニーニ、バッハに続く無伴奏ヴァイオリン作品第3弾!
STR 37200
ウジェーヌ・イザイ(1858-1931):
無伴奏ヴァイオリン・ソナタOp.27
(第1番ト短調、第2番イ短調、第3番ニ短調、第4番ホ短調、第5番ト長調、ホ長調)

アンカ・ヴァシーレ・カラマン(Vn)
録音:2021年6月30日サン・トゥアリオ・マドンナ・デラ・ヌーヴェ・イセオ [66:12]
※好評だったパガニーニの24のカプリス(STR37193)そしてバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(STR37196)に続くカラマンの無伴奏ヴァイオリンのためのアルバム第3弾。カラマンはルーマニア出身でブカレスト国立音楽大学を卒業後、ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミアでドメニコ・ノルディオに師事した後、イヴリー・ギトリスに師事を仰いでいる。2010年に3つの国際コンクールに入賞しヨーロッパ、アメリカそして日本でもコンサートを行っている。パガニーニ以後の無伴奏ヴァイオリン作品の金字塔イザイのソナタはバッハの伝統を踏まえつつロマン派ヴァイオリンの最終到達点を示す超絶技巧の難曲。カラマンはこの曲の複雑に絡み合う多声書法や半音階を情熱的に弾き切っている。STRADIVARIUSの鮮烈で美しい音質も聴きどころ。

※その他STRADIVARIUSレーベル新譜
STR 37157
アリレザ・ファルハング(b.1976)作品集
①「アナグラン」~フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロとピアノのための
②「エリカ」~チェロのための
③「アザール」~ヴァイオリンのための
④「ハラ」~ヴァイオリンとチェロのための
⑤「エイワン」~ヴァイオリン、チェロとピアノのための

アンサンブル・クール=シルキュイ:
【アンヌ・カーテル(Fl)、ピエール・デュトリュー(Cl)
 ジャン=マリー・コテ(Pf)、河野彩(Vn)、フレデリック・バルダサーレ(Vc)
 ジュリエン・ドゥコワン(Vc)、ジャン・ドロワイエ(指揮)】
[57:59]
※アリレザ・ファルハング(b.1976)はイラン系フランス人でテヘラン大学においてアリレザ・マチャエキに作曲を師事した後、テヘラン大学で教鞭を執り、自身の音楽学校を設立。その後2002年にフランスに移住し、パリ国立音楽院でミシェル・メルレの下で研鑽を積む。この機会に細川俊夫、ハンス・ピーター・キーブルツ、オルガ・ノイヴィルト、カイヤ・サーリアホ、トリスタン・ミュライユらと仕事をする機会を得た。その後IRCAMで電子音楽の研究にも勤しんだ。このディスクは彼の本格的な作品集でイランの伝統音楽とヨーロッパの現代音楽、電子音楽の研究の成果が融合した独自の世界が展開する。

STR 37176
エマヌエレ・バルベッラ(1718-1777):
通奏低音を伴う2つのヴァイオリンまたは2つのマンドリンのための6つの二重奏曲集

ピツィク・アルコ四重奏団:
【マウロ・スキランテ(マンドリン)
 モニカ・トート(Vn)
 アレッサンドロ・パルメリ(Vc)
 ルカ・タランティーノ(Gtr)】
録音:2018年サン・アントニオ教会[72:20]
※バルベッラは18世紀イタリア、ナポリのヴァイオリニスト、作曲家。父親よりヴァイオリンの手ほどきをうけたのち、タルティーニの弟子バスクアーレ・ビーニにヴァイオリンを、レオナルド・レオに作曲を師事した。バルベーラはナポリのいくつかの音楽院で教鞭を執りつつ、ヴァイオリンを中心とする多くの作品を作曲しナポリ楽派の重要人物と目されている。このディスクはチェロの通奏低音を伴うヴァイオリンとマンドリンのためのデュオ。マンドリンが入っているせいか、イタリア情緒たっぷり。バロック音楽を得意とするストラディヴァリウスの鮮やかな録音も魅力。

STR 37198
「ヴォルペとルカ」~バロックからジャズまで
①ジャン・バッティスタ・ゲルバーシオ:2つのマンドリンのためのシンフォニア(1762頃)
②フランチェスコ・レッチェ:ト長調のコンチェルト(1772頃)
③ラファエーレ・カラーチェ:サルタレロ(1918)
④ラファエーレ・カラーチェ:ロンド(1924)
⑤スコット・ジョプリン:ジ・エンターテイナー(1902)
⑥エロール・ガーナー:ミスティ(1954)
⑦ジャコー・ド・バンドリン:ボーレ・ボーレ(1951)
⑧ユベンティーノ・マチエール:カデンチア(1967)
⑨ジャカーレ:サウドーソ・カバキーニョ(1985)
⑩パット・メセニー:サン・ライト(1992)

ルカ・ペトロジーノ(マンドリン&マンドーラ)
ジャンマルコ・ヴォルペ(ギター)
[52:05]
※バロック音楽と20世紀ジャズを組み合わせたユニークなアルバム。18世紀後半のイタリア音楽からスコット・ジョプリンやパット・メセニーまでノリノリで弾き込んでいる。マンドリンとマンドーラ(大き目のリュートのような楽器)のルカ・ペトロジーノはあらゆる楽器を弾きこなすマルチ・インストゥルメンタリストで自ら作詞作曲も行う。ソロの他、マンドリン・オーケストラを組織し活動している。ギターのジャンマルコ・ヴォルペもペトロジーノと同じくマルチ・インストゥルメンタリストでジャズからロック、ソウル、ファンク、ブルースまであらゆるジャンルの音楽を弾きこなす。二人のマルチ・タレントによる楽しい一枚。

STR 37209
「ジャーニー」
~ギター・デュオで聴く東欧のピアノ曲
①ベラ・バルトーク(1881-1945):「ルーマニアのクリスマスの歌」第1集、第2集
②リオール・ナヴォク(b.1971):「サリジーム」
③レオシュ・ヤナーチェク(1854-1928):「草陰の小径」第1集(全10曲)

ノーヴァ・ギター・デュオ:
【ネリー・フォン・アルヴェン(6弦Gtr)
 ルイツ・マントヴァーニ(8弦Gtr)】
[52:28]
※バルトークの隠れた名ピアノ曲「ルーマニアのクリスマスの歌」、ヤナーチェクのピアノの代表作「草陰の小径」を2つのギターのための編曲で聴く。どちらも本来のピアノで聴くよりも民族音楽色と野性感がより濃厚になり、こちらが原曲なのではと思えるほど。リオール・ナヴォクの「サリジーム」はまるで武満のギター曲かと見紛うほど武満を意識した曲(因みにナヴォクは東欧風の名前だがテル・アヴィヴ出身)。武満に心酔しているとしか思えない和声、沈黙の間の感覚などが美しい。なおノーヴァ・ギター・デュオは相方に珍しい8弦ギターを使ったユニット。その為アンサンブルに重厚な深味が出ている。録音も美しく、ギター・ファンは必聴!