STRADIVARIUSレーベル(イタリア)
バロック・リュートの名手ポール・バイアーの最新アルバム!
ヴァイスのドレスデン写本第1集
STR 37299
シルヴィウス・レオポルド・ヴァイス(1687-1750):
ドレスデン写本第1集
①リュート・ソナタ ト短調SC N.51
②リュート・ソナタ ハ長調SC N.40
ポール・バイアー(バロック・リュート)
録音:①2022年8月ノマーリオ、イタリア,②2023年10月リーヴォ、イタリア [70:13]
※ドイツの後期バロックを代表するリュート音楽の作曲家ヴァイスの2つのソナタを収録。ヴァイスはドレスデンを拠点に活動したがローマでも盛んに演奏会を催したため、同時代のイタリア音楽にも影響を与えた。作品はバロック・ソナタの様式に従って幾つかの舞曲から構成される舞踊組曲である。リュートのポール・バイアーはロンドンの王立音楽院でダイアナ・ポールトンに師事、J.S.バッハ、ヴァイスの作品を得意するほか、様々なバロック・オーケストラ、オペラ・プロジェクトの音楽監督としても活動している。
武満の招きでサントリー国際作曲委嘱シリーズにも参加したことがある
ルイス・デ・パブロ最晩年の作品を含むフルート作品集!
STR 37278
「ペンシエリ」~ルイス・デ・パブロ(1930-2021):フルート作品集
①ペンシエリ(思考) (2013-14)~フルートと管弦楽のためのラプソディア
②「フルートよ、汝、飛ぶものよ」(2020)
③「ソロ=クンスト」(2000-2017)~J.S.バッハのフーガの技法によるロベルト・ファブリツィアーニのフルートのための3つのフーガ
④「ソロ・ウン・パソ」(1974)~ロベルト・ファブリツィアーニのフルートのための
ロベルト・ファブリツィアーニ(Fl)
①ホセ・ラモン・エンシナル(指揮)バスク州立管弦楽団
録音:①2015年ビルバオ、クル・ホール(ライヴ)、②③④2022年フィレンツェ、スタジオGRS
[61:21]
※先ごろ亡くなったスペインを代表する現代音楽の作曲家ルイス・デ・パブロのフルートのための作品集成。ルイス・デ・パブロは武満の招きでサントリー国際作曲委嘱シリーズにも参加したこともある(1988年)。 フルートは現代音楽を得意とするロベルト・ファブリツィアーニ。全ての作品は彼のために作曲され、彼によって初演された。いずれも特殊奏法を駆使する一方、過去の作品を引用するなどアイデア満載の音楽。なおアルバム中、「ソロ・クンスト」は事実上、J.S.バッハのフーガの技法のソロ独奏のための編曲である。スペイン現代音楽の巨匠の偉業を振り返るのに最適の一枚。
チェロとギターによる
ドビュッシー:チェロ・ソナタ、ファリャ:恋は魔術師!
STR 37290
「恋は魔術師」
~チェロとギターのための二重奏曲集
①アルベニス:「イベリア」第1集
②グラナドス:8つの詩的ワルツ
③ドビュッシー:チェロ・ソナタ(ギター伴奏版)
④ファリャ:恋は魔術師
セバスティエン・シンガー(Vc)
アンドレ・フィッシャー(Gtr)
録音:①2022年10月29日、②③2018年9月21-22日、④2020年3月5日[67:32]
※簡易紙ケース収納
※アルベニスとグラナドスの作品はもともとピアノ曲、ドビュッシーのチェロ・ソナタはチェロとピアノのための作品、ファリャの「恋は魔術師」はオーケストラのためのバレエ音楽だが、それらをチェロとギターのためのデュオという意外な組み合わせで聴かせる一枚。どの曲もあたかも最初から、この編成で書かれたかのように錯覚するほど見事な編曲で圧倒される。ドビュッシーのチェロ・ソナタにはもともとイベリア的な色彩が濃厚なためギターによる伴奏版は極めてスペイン的で効果満点。ファリャのバレエ音楽「恋は魔術師」はチェロとギターが火花を散らしてオリジナル版にも負けない名編曲、名演奏。聴きごたえ充分の一枚。
※その他STRADIVARIUSレーベル新譜
STR 37262
「彼方を越えて」~アコーディオンのための現代音楽
①サミール・オデー・タミミ(b.1970):ツラリム(2009)
②ロベルト・ヴェトラーノ(b.1982):アクースティカIII (2022)
~アコーディオンとゴースト・サウンドのための
③原田敬子(b.1969):ブックI (2014)
④ヨンギー・パク=パーン(1945):ネ・マ=ウム(1996/98)
⑤マヌエラ・ケレル(b.1980):奥深くに・・・(2023)
~アコーディオン、声、クライミング・ロープ、呼吸音のためのオーディオ・ヴァージョンとステージ・バージョン
⑥ニコラウス・A.フーバー(1939):ハープの翼に乗って(1987)
マルゲリータ・ベルランダ(アコーディオン)
録音:2023年10月28-31日トレント、クミネッティ劇場
(注:ブックレットには誤って2024年録音と記載されています)
[73:16]
※イタリア、日本、韓国の現代作曲家に委嘱したアコーディオン作品を収録。全体の作風を一言で言い表すことはとても不可能だが、これまでのアコーディオンのイメージを覆す斬新な作品が勢ぞろい。日本からは原田敬子の作品が演奏されている。原田作品は1分から最長5分の4つの小品から構成された音の細密画。ヴェトラーノの「アクースティカIII」ではコンピュータで制作されたと思われる音響がアコーディオンと共演する。ケレルの「奥深くに・・・」では声とクライミング・ロープ(?)、呼吸音のために書かれており、アコーディオンの奏でるクラスターとノイズが入り雑じるユニークな音楽。
STR 37275
「マエル・バイリー作品集」~アンサンブル・アルテルナンス
4番目のリンゴ(2015-22)~フルート、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための
競売(2017)~ピアノと打楽器のための
火花で(2021)~サキソフォンとヴィオラのための
または準備されてない(2016)~ピアノのための
コントレクラリオン(2021)~フルート、ヴィオラとトランペットのための
6つのミニアチュア(2015-22)~フルート、サキソフォン、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための
空いている敷居から別の敷居へ(2020)~サキソフォンのための
イントロダクションとディアポ(2017)~クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ピアノと打楽器のための
アンサンブル・アルテルナンス(Sax、Vc、Perc、Vn、Pf、Cl、Fl、Va、Trp)
[55:59]
※簡易紙ケース収納
※マエル・バイリー(生年不詳)はフランスの作曲家。当初、ヴィオラを学んでいたが、後に現代音楽と即興音楽の道に転向、現在パリを拠点に創作活動を行っている。このディスクには彼の近年の室内楽作品が収録されている。即興音楽をやっているだけあって、記譜された作品にもその影響が感じられる。きらきらとした音色の多用や激しいクラスターの音塊まで、フランス人らしい音の扱いにドビュッシーからブーレーズまでのフランス近現代音楽の影響を感じ取ることが出来る
STR 37276
水とワイン(Aqua & Vinho)
~フルートとギターのための感傷的な小品集
エグベルト・ジスモンチ:水とワイン
ローレン・ブトロス:アメイジア
エンリケ・グラナドス:スペイン舞曲第5番
アダ・ジェンティーレ:私は歌を書いた
バーデン・パウエル:不在のラヴ・ソング
エイトル・ヴィラ=ロボス:モディーニャ
フランシス・プーランク:笛吹きが廃墟を眠りに誘う
セルソ・マチャド:子供の足(サンバ・ショーロ)
セルソ・マチャド:パソカ(ショーロ)
バーデン・パウエル:名もなきワルツ
アントニオ・グランデ:幻想曲第9番
アリエル・ラミレス:マルティン・フィエッロのためのバラード
エドワード・エルガー:愛の挨拶
カロリナ・デロ・イアコノ(Fl)
アントニオ・グランデ(Gtr)
録音:2023年9月[50:16]
※簡易紙ケース収納
※グラナドスからプーランク、ジスモンチ、エルガーなどの粋で美しい小品をフルートとギターで演奏したお洒落なアルバム。傾聴するもよし、BGMとしてかけっぱなしにしても邪魔にならない軽やかで落ち着いたムードのアルバム。フルートのカロリナ・デロ・イアコノはイタリアの若手音楽家でイタリア、サレルノ州立マルトゥッチ音楽院で学んだ後、ソリストとして活動している俊英。
STR 37280
「フライ」~アコーディオンのための現代音楽
①ジュリオ・コランジェーロ:ハイペリオン(2022)
~アコーディオン、フィクスト・メディア、ライヴ・エレクトロニクスとリアクティヴ・ライトのための
②J.S.バッハ:パルティータ第2番BWV826~サラバンド(1731)
③ダニエーレ・ギーシ:フライ(2021)~アコーディオンとエレクトロニクスのための
④J.S.バッハ:パルティータ第2番BWV826~アルマンド(1731)
⑤パスクアーレ・コラード:ハイライト・ライト・ナイト2 (2022)
~アコーディオンとライヴ・エレクトロニクスのための
⑥ベラ・バルトーク:ルーマニア民族舞曲第4番(1915)
⑦ジェルマーノ・スクールティ:「後奏曲、祈る人のように」(2019)
~アコーディオン、フィクスト・メディアとライヴ・エレクトロニクスのための
⑧ベラ・バルトーク:ルーマニア民族舞曲第3番(1915)
⑨アゴスティーノ・ディ・スキーピオ:圧力閾値(2019)
~アコーディオン、ライヴ・エレクトロニクスと環境音のための
⑩ジェルマーノ・スクールティ:ノットゥルノ(2023)
~アコーディオンと環境音、エレクトロニクスのための
ジェルマーノ・スクールティ(アコーディオン)
録音:⑨2022年7月、①-⑧⑩2023年12月イタリア、ペスカーラ・ポップ・アップ・ギャラリー
[69:59]
※J.S.バッハのパルティータBWV826から2曲とバルトークのルーマニア民族舞曲の一部を間に挟みつつ現代イタリアの新旧様々な世代の作曲家によるアコーディオンのための作品を収録。現代イタリアの作品はいずれもコンピュータによって制作された電子音や環境音とアコーディオンのために書かれている。アコーディオンの特殊奏法、クラスターとコンピュータ音響が時に溶け合い、また対立するなどして新しい時空間を作り出している。いずれもアンビエント・ミュージック、サウンド・インスタレーション作品としても秀逸で現代美術の展覧会会場で流すとピッタリといった雰囲気のアルバム。
STR 37286
「ターニング・ページ」~現代イタリアのギター音楽
ニコラ・サーニ(b.1961):ターニング・ページ (⋆)
アツィオ・コルギ(1937-2022):協和音と倍音
ジョルジオ・コロンボ・タッカーニ(b.1961):静寂の霜に包まれた顔 (⋆)
ステファーノ・スコダニッビオ:(1956-2012):幸運な夏
マウリツィオ・ピサティ(1959):チャハX
シルヴァーノ・ブソッティ(1931-2021):最後の珍品
⋆印世界初録音
ロレンツォ・ビグッツィ(Gtr)
録音:2022年1月、6月カルロ・カンティーニ・デジタル・スタジオ[44:07]
※現代イタリアの作曲家によるギター作品集。特殊奏法や特殊な調弦を駆使してギター音楽の新しい地平を切り開こうとしている意欲作揃い。特にアルバム・タイトルにもなっているニコラ・サーニの「ターニング・ページ」はアコースティック・ギターによるコンピュータ音楽、ミュージック・コンクレートといった趣きの作品。珍奇で不思議な音響が連続。先年亡くなった現代イタリアの巨匠、シルヴァーノ・ブソッティの「再h後の珍品」は詩の朗読、語り歌いをしつつギターを弾く、ブソッティ晩年の枯れた味わいを持つ逸品。現代イタリアの作曲界をギターひとつで展望できる一枚。
STR 37287
「トリオ・フォー・ツー」~ケーテンからライプツィヒヘ(1718-1735)
J.S.バッハ(1685-1750):
ソナタ イ短調BWV528(原曲:オルガンのためのトリオ・ソナタ)
ソナタ ハ短調BWV1017(原曲:ヴァイオリンとチェンバロ)
ソナタ ハ長調BWV530(原曲:オルガンのためのトリオ・ソナタ)
ソナタ ヘ短調BWV1018(原曲:ヴァイオリンとチェンバロ)
ロレンツォ・カヴァサンティ(リコーダー)
アレッサンドロ・パドアン(チェンバロ)
録音:2019年10月10-11日イタリア、アルクニャーノ、聖ジュスティーナ教会 [53:56]
※アルバムのタイトルとなっているトリオ・フォー・ツーとは通常何らかの旋律楽器(ヴァイオリンかフルート)、チェンバロと通奏低音(チェロまたはヴィオラ・ダ・ガンバ)で演奏されるトリオ・ソナタをここではリコーダーとチェンバロの二重奏で演奏していることに由来する。BWV528と530は6つのトリオ・ソナタの中の1曲、BWV1017と1018はヴァイオリン・ソナタとして演奏されることが多い。リコーダーのロレンツォ・カヴァサンティはケース・ブッケ、フランス・ブリュッヘンに師事、ロンドンのBBCプロムスをはじめ多くの音楽祭に招かれている中堅奏者。バロック音楽を得意とするSTRADIVARIUSの録音も優秀。
STR 37295
「気まぐれな愛情」~1600年代ヴェネツィアのソナタ集
M.ウッチェリーニ:ヴァイオリン・ソナタOp4
G.B.フォンターナ:2つのヴァイオリンのためのソナタ第7番
B.マリーニ:3声のソナタ Op.8
D.カステロ:3声のソナタ第10番
B.マリーニ:「逃れよ、悲しい心よ」によるソナタOp.22
G.ピッキ:カンツォーナ第4番、トデースカ、ピチの踊り
B.マリーニ:変奏ソナタ第3番、2つのヴァイオリンによる4部からなる奇想曲
G.レグレンツィ:フォスカリOp.2、ザバレラOp.2、ドナータOp.2、コルナーラOp.2
マルコ・シルヴィ(指揮、チェンバロ、オルガン)
アンサンブル・ハルモニア・ウルヴィス
録音:2023年9月19-21日ローマ、聖エリジオ・デ・フェラーリ教会[61:48]
※17世紀イタリア、ヴェネツィアを拠点に活動した作曲家たちによる室内ソナタ集。G.レグレンツィが比較的知られているが、他の作曲家は今日ほとんど演奏されないため貴重なアルバム。17世紀ヴェネツィア文化の華やかな雰囲気が伝わってくる雅やかな香りを湛えた一枚。STRADIVARIUSの録音も秀逸。
STR 37296
「ファンタスティックな犯罪」
~ガブリエレ・マンカ(b.1957)作品集
①「センティ、アスペッタ(聴いて待て)」(2019-2022)
~ピアノとアンサンブルのための
②「12回目の研究」(2013)
③「ファンタスティックな犯罪」(2023)
マリア・グラツィア・ベロッキオ(Pf)
①サンドロ・ゴルリ(指揮)ディヴェルティメント・アンサンブル
録音:2023年12月6、23日、2024年1月15日 [57:45]
※ガブリエレ・マンカはミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院でピアノをブルーノ・カニーノに、作曲をジャコモ・マンゾーニに師事。1985年WDR(ケルン)、ヴェネツィア・ビエンナーレ、フェスティヴァル・ドートンヌ(パリ)が主催するヨーロッパ音楽年「ニュー・ジェネレーション・イン・ヨーロッパ」賞を受賞。2000年、マンカは内田国際交流基金のフェローとなり日本に数ヶ月滞在し能楽堂で能の音楽を担当した。さらに2001年、田中千世子監督による能の映画「六郎兵衛」のサウンドトラックを手がけ、ブラティスラヴァ芸術映画祭と東京映画祭で上映されている。このアルバムはマンカの初の本格的な作品集となる。「センティ・アスペッタ(聴いて待て)」は40分強の一種のピアノ協奏曲(?)。長大な前半はひたすらピアノ・ソロ、中盤よりようやくアンサンブルとの絡みが始まり、点描的ともいえる音のタペストリーが形成されてゆく。その名も挑発的な「ファンタスティックな犯罪」は点描的で激しい音塊が不規則に続いたかと思うと長い沈黙が訪れ、また音の連鎖が始まるといった不規則性の美学ともいうべき佳品。一部セリーの手法が使われていると思われる。
STRADIVARIUSレーベル・カタログ