①元ウィーン・フィル、スカラ座のチェロ奏者ルカ・フィオレンティーニによるショパンから現代までのポーランドのチェロ作品!②フランスのピアニスト、パトリシア・パニーによるショパンとフランス近代の前奏曲、夜想曲集!/他、新譜7タイトル

STRADIVARIUSレーベル(イタリア)

元ウィーン・フィル、スカラ座のチェロ奏者ルカ・フィオレンティーニによる
ショパンから現代までのポーランドのチェロ作品!
STR 37227
「ライヴ・イン・ボローニャ」
~ポーランドのチェロ作品
シマノフスキ:ソナタ ニ短調 Op.9(原曲:ヴァイオリン・ソナタ)
ルトスワフスキ:ザッハー変奏曲
クシシュトフ・メイエル(b.1943):カンツォーナOp.56
ショパン:チェロ・ソナタ Op.65

ルカ・フィオレンティーニ(チェロ)
ヤクブ・トゥホジェフスキ(ピアノ)
録音:2014年9月5日 イタリア ボローニャ(ライヴ)[71’13]
※ポーランドの作曲家のチェロ曲を集めたCD。シマノフスキのヴァイオリン・ソナタは1904年の作でまだロマンティシズムたっぷりの名曲。これをチェロで弾くとよりしっとりとした情感が強まり実に美しい。ルトスワフスキのザッハー変奏曲は、スイスの指揮者、パウル・ザッハー(1906-1999)の70歳の誕生日のために書かれたもの。クシシュトフ・メイエル(1943-)は現代ポーランドを代表する作曲家。最後にショパンのチェロ・ソナタ。 ルカ・フィオレンティーニ1966年、イタリア、ヴェネツィア生まれのチェロ奏者。ミラノ音楽院でロッコ・フィリッピーニに学んでいる。かつてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の(したがってウィーン国立歌劇場管弦楽団の)チェロ奏者を務めていた。その後ミラノ・スカラ座管弦楽団の首席チェロ奏者に就任。イタリア人チェロ奏者というと明るく朗々と歌うイメージだが、フィオレンティーニのチェロは端正でじっくりした味わいのあるものだ。ヤクブ・トゥホジェフスキ(Jakub Tchorzewski チョルツェウスキに非ず)はポーランドのピアニスト。ポーランドの埋もれた作曲家の作品を積極的に取り上げることで知られているが、演奏は非常に誠実で味わい深いものである。

フランスのピアニスト、パトリシア・パニーによる
ショパンとフランス近代の前奏曲、夜想曲集!
STR 37229
「夜想曲の印象」
ショパン:夜想曲 嬰ハ短調 Op.27-1
フォーレ:夜想曲 Op.84-8
ドビュッシー:前奏曲 「音と香りは夕暮れの大気に漂う」
ジョルジュ・ミゴ(1891-1976):4つの夜想曲
プーランク:8つの夜想曲~第4番 「幻の舞踏会」,第5番 「しゃくとり虫」
ウェルネール(1935-2017):歌=夢
オーリック:夜想曲 「困った奴ら」
フォーレ:夜想曲第9番 ロ短調 Op.97
ドビュッシー:前奏曲集第2巻~第12曲 「花火」

パトリシア・パニー(ピアノ)
録音:2022年2月11,12日 ドイツ ロットシュテッテン=ナック [79’27]
※ショパンを除くとフランス近代の前奏曲、夜想曲を収録している。目玉はこのCDの半分を占めるジョルジュ・ミゴの4つの夜想曲、おそらくこれが世界初録音。鬱で渋くしかし詩的で、何とも言えない魅力のある音楽である。プーランクの軽やかで戯れ的な音楽の楽しさ、ジャン・ジャック・ウェルネール(1935-2017)が娘ソフィーのために書いた「歌=夢」の愛らしさも素晴らしい。六人組の一人、ジョルジュ・オーリックがバレエ「困った奴ら」を基にした夜想曲もおそらく世界初録音。もちろんショパン、フォーレ、ドビュッシーの作品は言うまでもなく名曲。
はフランスのピアニスト。ミラノのヴェルディ音楽院、チューリッヒ音楽院を修了。優れた技術と柔らかく香り高い演奏はフランス近代にピタリだ。来日も度々。ヤマハCFXを使用。

※その他STRADIVARIUSレーベル新譜
STR 37165
ステーファノ・ジェルヴァゾーニ(b.1962):作品集
①シバムギ
②かつてあった草原
③従順な雲

サンドロ・ゴルリ(指揮)
ディヴェルティメント・アンサンブル
①アレクサンドラ・デニセーニャ(ツィンバロン)
③コッラード・コッリアルド(トロンボーン)
③エリオ・マルケジーニ(打楽器)
録音:2020年1月16,25,26日 イタリア ミラノ [58’38]
※イタリアの作曲家、ステーファノ・ジェルヴァゾーニ(1962-)の作品集。いずれの曲も前衛的な作風。「シバムギ」では、ベラルーシの天才ツィンバロン奏者、アレクサンドラ・デニセーニャ が参加している。

STR 37207
「獣の声」
~ダンテの神曲からの無伴奏ソプラノ作品集
デ・ロッシ・レ(b.1960):獣の声
フランチェスキーニ(b.1979):獣の声
ソルビアーティ(b.1956):動物界

ラウラ・カトラーニ(ソプラノ)
録音:2021年8月2-3日 イタリア ボルツァーノ[59’28]
※ダンテの神曲の中から獣を扱った箇所を無伴奏ソプラノのための作品にしたもの3曲を収録。ファブリツィオ・デ・ロッシ・レ(1960-)、マッテオ・フランチェスキーニ(1979-)、アレッサンドロ・ソルビアーティ(1956-)の作品。
ラウラ・カトラーニはイタリアのソプラノ。オペラ活動もするが、同時代の作曲家の作品に熱心に取り組んでいる。

STR 37222(3CD)
「フランク:ピアノ作品集」
(CD1)
素描第1番/素描第2番/大ソナタ第1番 Op.10/
田園詩 Op.3/第1大カプリス Op.5/バラード Op.9
(CD2)
3つの小品 Op.16/
ハルモニウムのための16の選りすぐりの短い小品/
前奏、フーガと変奏 Op.18/人形の嘆き/
交響詩「ジン」~ピアノと管弦楽のための/
ゆっくりとした舞曲
(CD3)
交響的変奏曲/前奏曲、コラールとフーガ ロ短調/
前奏曲、アリアと終曲

パトリック・ドゥール(ピアノ)
ロジェ・ロセル(指揮)
ワロン王立歌劇場管弦楽団
[177’34]
※管弦楽伴奏作品も含めたフランクのピアノ作品集。個々の作品にはそれぞれ録音は存在するものの、これだけまとまったことはなかったかもしれない。
パトリック・ドゥールはベルギーのピアニスト。リエージュ王立音楽院で学んだ後、米国ボルチモアでレオン・フライシャーに学んだ。

STR 37224
「ショスタコーヴィチ:ピアノ作品全集 第2集」
ピアノ・ソナタ第1番 Op.12
ピアノ・ソナタ第2番 ロ短調 Op.61
子供のための練習曲帳 Op.69(7曲)
ムルジルカ
グリンカの主題による変奏曲

エウジェニオ・カトーネ(ピアノ)
録音:2021年11,12月 イタリア カンパーニャ州 モンテッラ [56’57]
※第1集(STR 37201)に続くエウジェニオ・カトーネのショスタコーヴィチのピアノ作品全集の第2集。ピアノ・ソナタ第1番のような演奏至難の超絶技巧曲から、文字通り子供向けの子供のための練習曲帳まで様々な曲が選ばれている。
エウジェニオ・カトーネは1986年、ナポリ生まれのピアニスト。10歳からピアノを学び、サレルノ・マルトゥッチ音楽院で学ぶ。高度な技術と明るく硬質なタッチによる演奏は、イタリアのモダンアートのような洗練美を醸している。

STR 37232
「チェロとギターによるスペイン作品集」
グラナドス:「ゴイエスカス」~間奏曲
カサド:セレナーデ/ほめ言葉
ファリャ:7つのスペイン民謡
アルベニス:コルドバ/カディス/グラナダ
ファリャ:火祭りの踊り/スペイン舞曲
グラナドス:東洋風/アンダルーサ/永遠の悲歌
カサド:緑の悪魔の踊り
カタルーニャ民謡:鳥の歌

マルティナ・ビオンディ(チェロ)
ピエトロ・ロカット(ギター)
録音:2021年6月14,15日 イタリア ナポリ [69’57]
※スペインの作曲家の作品をチェロとピアノで演奏している。ヴァイオリンとギターの二重唱は様々にあるが、チェロとギターの組み合わせはわりと珍しいだろう。チェロだとスペインの強い光が抑えられて、落ち着いた品の良さが際立つ。もちろんりギター伴奏はスペインの音楽にとてもよく合う。
マルティナ・ビオンディはイタリアのチェロ奏者。コセンツァのスタニズラオ・ジャコマントーニオ音楽院を修了後、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院でさらに学び、ライプツィヒやベルリンでも研鑽を積む。ソリストとして活躍している。ピエトロ・ロカットはイタリアのギター奏者。