PROMINENT CLASSICS (イギリス)
新たなる伝説……チェリビダッケによる命を賭した遊び
ヨハン・シュトラウス2世名演集(10曲収録)
※ワルツ〈南国のバラ〉 序奏の〔0分42秒~〕の遅さはチェリならではの微視的な超微速前進の典型。その後の快速との対比・落差の何たる激しさ。これもウィーン風ではないが、それなりに歌い揺れる。コーダの加速と拍手は、いかにも実演らしい盛り上がりだ。どの曲も完成度が高いため、全曲を通じて、ここで初めて『チェリビダッケなんだから、当然ライヴなんだよね』と気付いた次第。(金子建志)
2506-5623 ※オープン価格
チェリビダッケ・ヨハン・シュトラウス名演集
ヨハン・シュトラウス2世:
①アンネン・ポルカ(*)[4:15]
②皇帝円舞曲[11:17]
③喜歌劇「こうもり」序曲 [10:19]
④ピツィカート・ポルカ(ヨゼフ・シュトラウス共作)[2:30]
⑤トリッチ・トラッチ・ポルカ[2:26]
⑥ポルカ雷鳴と電光(*)[2:44]
⑦ウィーン気質(*)[8:19]
⑧喜歌劇「ジプシー男爵」入場行進曲(*)[3:14]
⑨ポルカ「狩り」(*)[2:00]
⑩南国のバラ(*)[11:57]
(*印:正規盤初出)
セルジュ・チェリビダッケ(指揮)
シュトウットガルト放送交響楽団
録音:①-⑤1981年5月27日/⑥⑦1982年6月9日/⑧-⑩1983年6月10日
全てリーダーハレにおけるライヴ・ステレオ録音
※日本語オビ・解説付き
※正に夢のようなリリースです!チェリビダッケによるヨハン・シュトラウス名演集の登場です。大指揮者は小品にも芸術の精髄を注ぎ込みますが、チェリビダッケもその例に洩れません。とにかく聴けなかったレパートリーが聴けるのが朗報。チェリビダッケは頭脳で解析する天才であることは無論のこと感覚的な遊びの達人でもありましたので、こうした曲目にも見事な適性を示します。定期演奏会ではなくSÜDFUNK BALL(直訳すれば南ドイツ放送夜会)という催しでシュトウットガルト放送響以外にも出演者がある演奏会。ここで巨匠は秘蔵レパートリーを披露したのです。解説には演奏分析の神、金子建志氏による詳述も必読です。