ZKPスロヴェニア放送レーベル(スロヴェニア)
スロヴェニアを代表するヴァイオリニスト、ジガ・ブランクの
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲&ロマンス!
ZKP 118548
ベートーヴェン:
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ロマンス第1番 ト長調 Op.40
ロマンス第2番 ヘ長調 Op.50
ジガ・ブランク(ヴァイオリン)
スラヴェン・クレノヴィチ(指揮)
スロヴェニア放送交響楽団
録音:2023年9月
※スロヴェニアからたいへんに素敵なベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲とロマンスのCDが出た。ジガ・ブランクは1982年生まれ、今やスロヴェニアを代表するヴァイオリニストの一人である。ZKP RTV SLOVENIJAからはこれまでにイザイの6つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ(ZKP 113192)やパガニーニの24のカプリッチョ(ZKP 114304)、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ K.301とベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10番(ZKP 111839)が発売されている。
久々の新録音であるこのベートーヴェン集はジガ・ブランクの充実ぶりを伝えてくれる。まず柔らかく透明感のある美音が素晴らしく、しかも丁寧かつ端正で伸びやかで柔らかい音楽。第2楽章のラルゲットは、まるで良い味のでただし汁のように旨味がじんわりと広がる。第3楽章も丁寧に弾きながら様々な情感を醸して見事。こうしたブランクの魅力は2つのロマンス、特に有名な第2番でも発揮されている。 そしてもう一人注目すべきが指揮者のスラヴェン・クレノヴィチ。ブランクと同世代のこの若い指揮者は、2023年にサラエヴォ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任したばかりで、CDもおそらくこれが初めて。ここでのベートーヴェンの、骨太で剛毅で、しかし必要な時には十分に抑えも効かせられる音楽には、彼の可能性が大いに感じられる。クレノヴィチは20年後、いや10年後には西側で大活躍しているかもしれない。