イタリアの演奏家による①ドイツのクラリネット・ソナタ集 ➁ブゾーニ:ヴァイオリン・ソナタ

AULICUSレーベル(イタリア)

ALC 0106
「ドイツのクラリネット・ソナタ集」
ダンツィ:クラリネット・ソナタ 変ロ長調
メンデルスゾーン:クラリネット・ソナタ 変ホ長調 MwvQ15
ドレーゼケ:クラリネット・ソナタ 変ロ長調 Op.38

アルド・ボッタ(クラリネット)
ジュゼッペ・ガリアーノ(ピアノ)
録音:2023年5月 イタリア カンパニア州 ポンテカニャーノ、78’25
※ロマン派のクラリネット・ソナタを集めたCD。メンデルスゾーンのクラリネット・ソナタは、1824年、彼が15歳になる年の作品。極めて早熟だったメンデルスゾーンらしくまだ少年だった頃の作品とは思えないほど充実している。フランツ・ダンツィ(1763-1826)はベートーヴェンより少しだけ上の世代のチェロ奏者、作曲家。当時は非常に人気が高く影響力のあった音楽家である。クラリネット・ソナタ 変ロ長調は1818年の作。強烈な個性こそないけれどなかなかの佳曲である。フェリクス・ドレーゼケ(1835―1913)は19世紀後半から20世紀初頭にかけてのドイツの作曲家。クラリネット・ソナタ 変ロ長調は1887年の作。後期ロマン派色とは無縁の優しく穏やかな作風が良い。
アルド・ボッタは1994年生まれのイタリアのクラリネット奏者。ソロ活動を行い、また現在はレッジョ・カラブリアのチレア音楽院でクラリネットを指導している。

ALC 0107
「ブゾーニ(1866-1924):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ集」
ヴァイオリン・ソナタ第1番 ホ短調 Op.29
ヴァイオリン・ソナタ第2番 ホ短調 Op.36

ルカ・ファンフォーニ(ヴァイオリン)
ルカ・バッレリーニ(ピアノ)
録音:2011年6月19-20日 イタリア ロンバルディア州 ベルナレッジョ、56’35
※10年ほど前にAmadeusレーベルから発売されたCDの再発。ブゾーニのヴァイオリン・ソナタ2曲を収録。ブゾーニというと晦渋な作風で知られているが、ヴァイオリン・ソナタ第1番は20代前半の作でまだロマン主義の色彩が濃い。ほぼ10年後の第2番はもっとブゾーニらしい作風になっているが、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番やクロイツェル・ソナタなどを下地にしており、擬古典的作風になっている。
ルカ・ファンフォーニは1964年、パルマ近郊サン・セコンド・パルメンセ生まれのイタリアのヴァイオリニスト。サルヴァトーレ・アッカルドに学んだその後継者と言うべきヴァイオリン奏者で、イタリアの作曲家のヴァイオリン作品を特異としている。