①マルタン、ショスタコーヴィチ、バキハノフ20世紀のピアノ三重奏曲集!②イタリアの夫婦デュオによるショパン、ボエルマン、ドビュッシー:チェロ・ソナタ集!

ODRADEK RECORDSレーベル(アメリカ)

マルタン、ショスタコーヴィチ、バキハノフ
20世紀のピアノ三重奏曲集
ODRCD 448
マルタン:アイルランド民謡による三重奏曲
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 Op.67
バキハノフ(b.1930):ピアノ三重奏曲第3番(1979)

トリオ・エリアル:
【ジャミーラ・ガラユシフリ(ヴァイオリン)
 サンドロ・メツァロス(チェロ)
 ダリア・コルトコフ(ピアノ)】
録音 : 2024年1月29〜30日 スタジオ・オドラデク、DDD、53’23
※トリオ・エリアルは2020年にチューリッヒ芸術大学で設立されたピアノ三重奏団。名前の由来は、トーニ・エリアル美術館から取られた。ジャミーラ・ガラユシフリ(ヴァイオリン)はアゼルバイジャンのバクー出身。2023年、イリア・グリンゴルツのクラスでデュプロマを取得する。数々のコンクールで優秀な成績を収める。ヴェンゲーロフ他の一流指揮者と共演している。サンドロ・メツァロス(チェロ)は2000年、スイス出身。2024年よりチューリヒ・トーンハレ管弦楽団に在籍している。
ピアノ三重奏曲は3人の奏者の丁々発止とした音のやり取りが醍醐味だが、期待を裏切らない見事な演奏に好感が持てる。まだ後期ロマン派の影響が残るマルタン、ロシアにおける追悼の伝統を汲んだショスタコーヴィチ、民族的な色彩感が濃厚なアゼルバイジャンの作曲家トフィク・バキハノフ(b.1930)と近代のピアノ・トリオが纏めて楽しめる好企画盤である。

イタリアの夫婦デュオによる
ショパン、ボエルマン、ドビュッシー:チェロ・ソナタ集!
ODRCD 451
「ブレイズ(三つ編み)」
ショパン:チェロ・ソナタ ト短調Op.65
ボエルマン:チェロ・ソナタ イ短調Op.40
ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調L.135

セルジオ・パートリア(チェロ)
エレナ・バッラーリオ(ピアノ)
録音:2024年3月18〜20日  スタジオ・オドデラク、DDD、68’04
※セルジオ・パートリア(チェロ)は16歳で、スイス・イタリア語放送管弦楽団のソリストとしてデビュー。アレッサンドリア音楽院、キジアーナ音楽院、サンタ・チェチーリア音楽院で学ぶ。CDも数多くリリースされており協奏曲のソリスト、室内楽でイタリアを中心に世界中で活躍している。エレナ・バッラーリオはイタリアのピアニストで作曲家でもある。当ODRADEKの他BRILLIANT、DYNAMIC等に多数録音している。1987年より夫でもあるセルジオ・パートリアとデュオを組み活躍している。
ショパンのチェロ・ソナタは、1846〜7年の間に作曲された最後の大作。構成的にはピアノ・ソナタ第3番に似通っているところが多い。チェロとピアノを対位法的に扱い、協奏的な展開をしているのが特色と言える。チェロの愛好家の間では大変人気のある名曲である。
ボエルマンのチェロ・ソナタは、名手アンドレ・ナヴァラが普及に努めたことで知られている。ボエルマンはフォーレと同じくニーデルメイエ宗教音楽学校で学び、作曲家、オルガニストとして活躍した。一般にはオルガンのための作品が有名である。
ドビュッシーのチェロ・ソナタは、作曲家の最晩年の作品で印象主義的な要素を持つ作品である。抒情的で情感的な要素も含んでいて、現代のチェロのレパートリーにおいて大変重要な位置を占めている。
息の合った夫婦デュオの演奏も素晴らしいが、この組み合わせでこれらの3曲が聴けるのが有り難い。録音も良く室内楽の醍醐味が味わえる好企画と言える。

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