MSRレーベル(アメリカ)
ジョシュア・ピアースのリスト
ピアノ協奏曲全集+ピアノと管弦楽のための作品集!
MS 1860(2CD)リスト:ピアノ協奏曲全集+ピアノと管弦楽のための作品集
CD1)
①ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調
②ピアノ協奏曲第2番 イ長調
③ピアノ協奏曲第3番 変ホ長調
④悲愴協奏曲(ロイス編曲・リスト修正編曲)
CD2)
⑤スペイン狂詩曲(ブゾーニ編曲)
⑥呪い
⑦死の舞踏(1849年初版)
⑧ハンガリー民謡のテーマによる幻想曲
⑨さすらい人幻想曲(シューベルト作曲・リスト編)
ジョシュア・ピアース(Pf)
①-③⑤-⑨ポール・フリーマン(指揮)
①⑧ロシア国立交響楽団
②③⑤⑥⑨モスクワ国立フィルハーモニー管弦楽団
⑦スロヴェニア放送交響楽団
④カーク・トレヴァー(指揮)
④ボフスラフ・マルチヌー・フィルハーモニー管弦楽団
録音:
①-③⑤-⑨1993年〜1996年 モスクワ放送協会第ホール&モスクワ・フィルム・スタジオ・コンサート・ホール
④1999年12月10〜11日ズリーンBMFコンサート・ホール
⑦1990年1月3日スロヴェニア・フィルハーモニック・ホール
[72:08]/[76:13]
※リストのピアノと管弦楽の為の作品集であるが編曲された作品も含まれている。「悲愴協奏曲」は、先ずピアノ・ソロから2台ピアノに編曲され、そこから弟子のエドゥアルド・ロイスが編曲したものにリストが修正したもの。「スペイン狂詩曲」は、ピアノ・ソロをブゾーニが編曲したもの。「さすらい人幻想曲」は、シューベルトのピアノ作品をリストが編曲したもの。
ジョシュア・ピアースはニューヨーク出身。ジョン・ケージをはじめとする現代音楽に造詣が深い実力派のピアニスト。多くのレーベルからCDが発売されレパートリーも幅広く、バッハ、モーツァルト、ショパン、レスピーギ、チャイコフスキー、ラフマニノフ、プロコフィエフ、ブロッホ、ヒンデミットetcと数え切れない。ポール・フリーマンはヴァージニア州リッチモンド出身。イーストマン音楽学校、ベルリン高等音楽院で学ぶ。30国以上の国で100を超えるオーケストラを指揮してきた。録音されたアルバムは200以上にも及ぶ。カーク・トレヴァーはロンドン出身。ギルドホール音楽演劇学校でチェロを学ぶ。一方で、ボールト、タウスキーに指揮を学んだ。ボフスラフ・マルチヌー・フィルの首席指揮者を務めた。バーンスタイン指揮者コンクールで優勝している。
このCDは様々な機会に収録されたものを纏めたもの。録音された年代や場所による音の響きの違いも殆ど無く、リストの迫力のある音楽が楽しめる。
※その他MSRレーベル新譜
MS 1624「古典派の弦楽三重奏曲の発見 第4集」
ロンバルディーニ=ジルメン(1745-1818):ソナタ へ短調Op.1-6 (2Vn、Vc)
ハイドン(1732-1809):ディヴェルティメント ト長調H.V:20(2Vn、Vc)
J.C.バッハ(1735-82):ソナタ へ長調B.40(2Vn、Vc)
ル・デュク(1742-77):トリオ へ短調Op.5–6(2Vn、Vc)
ボッケリーニ(1743-1805):トリオ ハ短調Op.14–2(Vn、Va、Vc)
ヨーゼフ・シュミット(1734-91):トリオ ト長調Op.11–3(Vn、テノール、Vc)
ロンバルディーニ=ジルメン:トリオ 変ロ長調 (2Vn、Vc)
ヴィヴァルディ・プロジェクト:
【エリザベス・フィールド(Vn)
アリソン・ナイキスト(Vn、Va)
ステファニー・ヴィアル(Vc)】
(ピリオド楽器使用)
録音:2023年6月20-24デューク大学ボールドウィン・オーディトリアム[72:10]
※ヴィヴァルディ・プロジェクトは、2006年に結成されたアンサンブル。ヴァイオリンのフィールドとチェロのヴィアルが中心となり、様々な編成で演奏活動を行なっている。メンバーはそれぞれバロックから古典派のレパートリーを、ドイツ・グラモフォン、フンガロトン、ナクソス、デロス、ドリアン他の有名レーベルからCDを多数リリースしている。
ヨーゼフ・シュミットのトリオ ト長調で記されているテノールとは、ヴィオラ(アルト)よりもサイズの大きな弦楽器のことである。現在ではあまり使用されていない。今回は、ヴィオラで演奏されていると思われる。ピリオド楽器による演奏だが、響きの豊かな柔らかい音色で録音されている。程よくホールトーンも感じられて、心地よい空間の演出がされている。演奏もクリアで澱んだところが無く、大変後味の良い仕上がりとなっている。
MS 1816「バーバラ・ハーバック作品集VOL.18」
~ハーバック(b.1946):管弦楽曲集Vol.8
①交響曲第12番「時は飛ぶ」(2002)
Ⅰ. 秋-戯れ/Ⅱ. 春-スケルツォ/Ⅲ. 夏-煌めき/Ⅳ. 冬-気まぐれ
②交響曲第13番「旅」(2002)
Ⅰ. 危険な旅/Ⅱ. フィラデルフィアのクリスマス/Ⅲ. ロンドンの日々/Ⅳ. アメリカ、約束の地
③交響曲第14番「開拓者の女性達」(2002)
Ⅰ. 私は開拓者/Ⅱ. 女性はするべきではない/Ⅲ. 複雑/Ⅳ. それから平和
デイヴィッド・アンガス(指揮)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:2024年1月15-16日 ヘンリーウッドホール(ロンドン)にて [66:46]
※バーバラ・ハーバックはペンシルベニア州出身の作曲家、チェンバリスト、オルガニスト。ミズーリ州を拠点に活躍している。交響曲、オペラ、室内楽、合唱曲、メディア等の映像音楽とジャンルは幅広い。調整的で明快な書法は現代音楽と言うよりも、ロマン派・新古典派に近い。初期のドビュッシーを思わせる色彩感が印象的な作風である。
指揮の、デイヴィッド・アンガスはイギリス出身。少年時代は、ウィルコックス指揮が率いるキングスカレッジ聖歌隊に在籍していた。ボストン・リリックオペラの音楽監督を務めている。
収録作品は全て標題を持った交響曲である。No. 12 は、作曲家の幼少期の記憶の中の風景が描かれている。各楽章独自のモチーフを展開させていく柔和な表情が印象的である。No. 13 は、奴隷制度の廃止運動を起こしたクラフト夫妻の脱出劇を描いた作品。夫妻の道程を時系列に沿って作曲されている。第二楽章では有名なクリスマスの聖歌「神の御子は今宵しも」が使用されているが、クリスマスの華やぎはなく困難な旅路を想像させる。No. 14 は、アラスカの荒野開拓に身を投じた4人の女性を描いている。所有していた4人の肖像画や、当時の日記・手紙・書籍・雑誌を年代順に整理して楽章を形成している。第一楽章は「キャサリン・ヴァン・カーラー」、第二楽章は「コーデリア・ノーベル」、第三楽章は「マーガレット・ムーリー」、第四楽章は「ガートルード・ファーガス・ベイカー」という構成になっている。
MS 1817ピエール=マックス・デュボア(1930-95):歌曲全集(世界初録音)
6つのシャンソン(詩:フィリップ・スーポー)
(研ぎ師の歌/キングケーキ/花の模倣/不愉快な日のために/必要と所有/ムシュー・ペピネ)
12星座(詩:ジョゼ・ブリュイエール)
(山羊座/獅子座/天秤座/乙女座/魚座/水瓶座/蠍座/牡羊座/射手座/双子座/蟹座/牡牛座)
3つのシャンソン(18世紀・作者不詳)
(バ・ブ・ビ・ボ・ビュ/みんなの邪魔をしないで/森に行くのは、こんな感じだ)
消えた星々(詩:モーリス・フォンブール)
(トルティヤールの旅/薔薇の歌/怠さ/古い歌/騎兵ラッパのヴァリエーション)
5つのポエムソング(詩:ジャン・タルデュー)
(泣ける格言/自動ピアノの格言/エラー/その日のポイントに対して/虚無の子供)
エリーズ・デシャン(メッツォ・ソプラノ)
アラン・ハックルベリー(ピアノ)
録音:2023年1月6-8日アイオワ大学 [74:17]
※デュボアは1930年フランス出身の作曲家。パリ音楽院で、ジャン・ドワイアンにピアノを、ダリウス・ミヨーに作曲を学ぶ。サキソフォン他の木管楽器の為の作品で広く知られているが、バレエ、オペラ、弦楽器、ピアノの為の作品など幅広く手掛けている。
メッツォ・ソプラノのエリーズ・デシャンはモントリオール出身。キャピタル大学、アイオア大学の声楽研究所のメンバー。オペラ、オラトリオ、コンサートで活躍し、特にカルメン役は絶賛されている。オペラで培われた深い声と表現が、作品の魅力を引き出している。両親は、作曲家とは親友であった。ピアノのアラン・ハックルベリーはソロリサイタル、協奏曲のソリスト、室内楽で、全米、ヨーロッパ、オーストラリアで活躍している。CDも15枚ほど出ている。透明感のあるクリアな音色が、フランス音楽にマッチして歌を見事にサポートしている。
MS 1838「ウェーヴレングス(波長)」
~アメリカのクラリネット、チェロ、ピアノのための新作集
①-⑥キナン・アズメ(b.1976):散らばったスケッチ(2012、クラリネット、チェロ)
⑦ピエール・ジャルベール(b.1967):紫外線(2013)
⑧トッド・コクラン(b.1951):ソウル・バード(2022)
⑨リビー・ラーセン(b.1950):トリオ・ノアール(2022)
⑩-⑭デイヴィッド・ルドウィク(b.1974):砂漠の花(2009/2022)
Ⅰ.悪意のあるブルー/Ⅱ.不規則なスナップが聞こえる/
Ⅲ.自分を捨てたことを何度も後悔する/Ⅳ.銃弾はあと5発/
Ⅴ.主はイスラエルの民に平和を施される
⑮-⑰ローウェル・リーバーマン(b.1961):クラリネット三重奏曲Op.128a(2015/2022)
ロミィ・ド・ギーズ=ラングロワ(クラリネット)
ドミトリー・アタピン(チェロ)
⑦-⑰パク・ヘヨン(ピアノ)
録音:2022年5月23〜25日 ネヴァダ大学 ハーラン・O & バーバラ・R ホール リサイタルホール
[68:27]
※収録された作品は、どれも作曲家と演奏者の信頼関係から成立している。祖国の民族音楽、科学の神秘、ジャズや映画音楽でのキャリアから生まれたもの、古い犯罪映画からインスピレーションを得たもの、アメリカの銃社会への警鐘、演奏者からの改訂依頼に応えたものと様々である。殆どの作品に標題が付いているのも、より良い理解の一助となっている。
ギーズ=ラングロワは、ヒューストン交響楽団、グアナフアト交響楽団(メキシコ)でソリストとして活躍している他、リンカーンセンター室内楽アーティスト、ボストン室内楽協会のメンバーである。マサチューセッツ大学アマースト校で、クラリネット科の教授を務めている。
MS 1847「ショパン&ドビュッシー」~カルロス・ガルデルス
ショパン:
①夜想曲 変ロ短調 Op. 9-1/②夜想曲 嬰へ長調 Op.15-2
③夜想曲 嬰ハ短調 Op. 27-1/④夜想曲 変ニ長調 Op. 27-2
⑤夜想曲 ロ長調 Op. 62-1/⑥夜想曲 ホ長調 Op. 62-2
ドビュッシー:
⑦-⑩ベルガマスク組曲
(Ⅰ.前奏曲/Ⅱ.メヌエット/Ⅲ.月の光/Ⅳ.パスピエ)
⑪亜麻色の髪の乙女/⑫組み合わされたアルペジオの為の
カルロス・ガルデルス(ピアノ)
録音:⑥2021年1月、①③−⑤⑦−⑩⑫2021年6月・2024年2月、②⑪2024年3月,カリフォルニア [58:15]
※カルロス・ガルデルスはロスアンジェルス出身のピアニスト。カーネギーホールで、ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番のソリストを15歳で務めてデビューする。ロスアンジェルス・リスト国際コンクールなどで優勝。ロンドン、パリ、エストニアでリサイタルを開催する。作曲家としても活躍しており「ピアノの為の3つの幻想曲」が出版されるなど、才能豊かな音楽家である。
ショパンの夜想曲とドビュッシーのベルガマスク組曲他の組み合わせ。珍しい組み合わせだが違和感のない自然な流れが素晴らしい。収録された時期や場所がまちまちなので響きにほんの少し差を感じる瞬間があるものの、巧みなタッチ・ペダルコントロールで淀みなく聴かせてくれる。
MSRレーベル・カタログ