ODRADEK RECORDSレーベル(アメリカ)
AUDITEレーベルでもお馴染み!
フランツィスカ・ピーチのバルトーク:ヴァイオリン・ソナタ
ODRCD 419
ベラ・バルトーク(1881-1945):
ヴァイオリン・ソナタ第1番Sz.75(1921)
ヴァイオリン・ソナタ第2番Sz.76(1922)
ルーマニア民族舞曲Sz.56 (1915年ゾルタン・セーケイ編曲版)
フランツィスカ・ピーチ(ヴァイオリン)
林田麻紀(ピアノ)
録音:2021年5月24-26日スタジオ・オドラデク・ザ・スフィアース[63:04]
(日本語オビ・解説付き)
※ヴァイオリンのフランチィスカ・ピーチは旧東ドイツ出身。東ベルリンでヴェルナー・ショルツに師事後、いくつかの国内コンクールに入賞。西側に移住後はジュリアードで学んだ。いくつかのオーケストラでコンサート・ミストレスを勤めた後、現在は室内楽とソロ活動に専念している。AUDEITEレーベルから多数のソロ・アルバムが発売になっている。ピアノの林田麻紀はフランスでベルナルト・リンガイセン、ドイツでカール=ハインツ・カンマーリングに学び、現在フランチィスカ・ピーチとデュオを組んで精力的に活動している。
彼女たちは攻撃的で激しいバルトークの2つのヴァイオリン・ソナタを繊細に時に凄絶な美しさで演奏、神経質なまでに刻々と変化するフレーズ、リズムのニュアンス、表情を見事に弾き切っている。同作品の新しいスタンダードといってよい録音の登場。オドラデクの音質も優秀。
※その他ODRADEK RECORDSレーベル新譜
ODRCD 420
「クロッシング・ライン」~ニック・ショルテン、ハープ・リサイタル
ニック・ショルテン(b.1988):
覚醒(2020)、心配しないで(2020)、小さな総括(2017)
マルセル・グランジャニー(1891-1975):
ラプソディOp.10(1921)、パストラル(1971)
マルセル・トゥルニエ(1879-1951):
お供え物(1913)、ソナチネOp.30(1924)、ジャズ・バンド(1926)、ため息(1913)
カルロス・サルセード(1885-1961):
夜の歌(1927)、悲嘆(1927) 、シンティレーション(1936)
ニック・ショルテン(Hrp)
録音:2020年7月9-16,27-30日オランダ、ステッペン・ウルフ(荒野の狼)・スタジオ [66:32]
※ニック・ショルテンはオランダ出身のハーピスト、作曲家。ユトレヒト音楽院でエリカ・ワーデンブルクに師事、しばらくロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のハープ奏者を勤めていたが、2011年以降はジャズなどクラシック以外のアルバム制作に参加するようになり作曲家として実験的な音楽の制作にも携わっている。このアルバムには自作を含む、普段あまり聴く機会の少ない作曲家のハープ作品が集められている。グランジャニー、トゥルニエは19世紀後半のフランスの作曲家で曲はいずれもドビュッシーの影響を感じさせる繊細で美しい音楽。サルセードはフランス出身だが後にアメリカに移住しハープ奏者、作曲家として活躍、ラヴェルの序奏とアレグロを得意としてこの曲の普及に尽力した。この人の作品はドビュッシーとラヴェルの影響にラテンの要素を加えたセンスのよい音楽。ニック・ショルテン自身の作品はサティを思わせ、かつて一世を風靡したウィンダム・ヒル・レーベルに通じる透明な音楽である。録音も大変優秀でハープの美しい音色が充分に堪能できる。
ODRCD 424
「大西洋の海水」~ガリシアの作曲家による管弦楽曲集
①フェルナンド・ブイド(b.1980):「パサクセス」(2016)
②ファン・ドゥラン(b.1960):「モンテアグド宮殿の入り口」(2014)
③オクタビオ・バスケス(b.1972):「生と死の未亡人」(2014)
④エドゥアルド・スートゥーリョ(b.1968):「仕事と夜明けの門(さらに他のユークロニア)」(2016)
ポール・ダニエル(指揮)
ガリシア王立フィルハーモニー
①ラケル・ロヘンディオ(S)
②アルバ・バレイロ(Hrp)
③クリスティーナ・パト(バグパイプ)
録音:2017年6月、2018年7月スペイン・ガリシア[69:02]
※ガリシアとはスペインの自治州のひとつでスペインの北西に位置し大西洋に面した場所。巡礼と大聖堂で有名なサンチャゴ・デ・コンポステラはこの地にある。このディスクはこの土地出身の様々な世代の作曲家によるヴァラエティに富んだ管弦楽曲を収録している。同郷の作家ゴンザロ・ヘルモの詩によるブイドの声楽曲「パサクセス」は起伏に富んだ抒情的な力作。卓越した管弦楽法が聴き手を惹きつける。ドゥランの「モンテアグド宮殿の入り口」はハリウッドの映画音楽を思わせる(ジョン・ウィリアムスばりの管弦楽法が)華麗なハープ協奏曲。バスケスの「生と死の未亡人」は珍しい一種のバグパイプ協奏曲で中世ルネサンス風の音楽と現代音楽が激突する。スートゥーリョの「夜明けの仕事と門」は20世紀の鬼才画家フランシス・ベーコンの絵からインスピレーションを受けて作曲されたという巨大な交響詩。管弦楽の色彩と機能を存分に発揮させた渾身の力作。