①スロヴェニアの若手実力者たちによるブラームス&ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲!②スロヴェニア現代音楽界を代表するレビッチ作品集成!/他、新譜4タイトル

ZKPスロヴェニア放送レーベル(スロヴェニア)

スロヴェニアの若手実力者たちによる
ブラームス&ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲!
ZKP 117909
ブラームス(1833-97):ピアノ五重奏曲ヘ短調Op.34
ショスタコーヴィチ(1906-75):ピアノ五重奏曲ト短調Op.57

カープ・アルテム・コレクティヴ:
【ミハ・ハース(Pf)
 ラナ・トロトヴシェク(Vn)
 ミラディン・バタロヴィッチ(Vn)
 ネイク・ミコリッチ(Va)
 ニコライ・サイコ(Vc)】
録音:2019年5月、リュブリャナ 68’47
※新旧2つのピアノ五重奏曲の傑作を収録。カープ・アルテム・コレクティヴは学生時代の仲間で結成されたスロヴェニアの室内アンサンブル。それぞれソリストとして活動する一方で定期的に集まりコンサートを開催している。1stVnのラナ・トロトヴシェクはゲルギエフ指揮のマリンスキー劇場管弦楽団との共演でデビューして以来、ロンドン響、ロイヤル・フィルとも共演、タン・ドゥンの作品でもソリストを務めるなど国際的に活躍している実力派。

スロヴェニア現代音楽界を代表するレビッチ作品集成!
ZKP 115639(4CD)
「ロイゼ・レビッチ(Lojze LEBIČ,b.1934)アンソロジー」
CD1)管弦楽作品I
①「香草」(1965/rev.1986)~メゾ・ソプラノと管弦楽のための
②管弦楽のための音楽「カンティーコI」(1997)
③管弦楽のための音楽「カンティーコII」(2001)
④「神話と外典」(1998/99)~バス・バリトンと管弦楽のための

①マリヤナ・リポヴシェク(M.Sop)
 スタニスラフ・マクラ(指揮)リュブリャナ放送響 録音:1981年
②マルコ・レトーニャ(指揮)スロヴェニア・フィル 録音:1998年10月13日
③ダヴィッド・イトキン(指揮)スロヴェニア・フィル 録音:2002年3月22日
④マルコス・フィンク(B、Br)
 アントン・ナヌート(指揮)スロヴェニア放送響 録音:2000年4月10日

CD2)管弦楽作品II
⑤「コラント」(1969)
⑥「クイーンズランド・ミュージック」(1989)
⑦「11月の歌曲集」(1981/82)~メゾ・ソプラノと管弦楽のための
⑧「タングラム(シルエット・パズル)」(1977)~室内オーケストラのための

⑤サモ・フバッド(指揮)スロヴェニア放送響 録音:1969年12月24日
⑥マルコ・レトーニャ(指揮)スロヴェニア放送響 録音:1991年3月25日
⑦エヴァ・ノヴシャーク=ホウシュカ(M.S)
 アントン・ナヌート(指揮)スロヴェニア放送響 録音:1983年9月28日
⑧ウロシュ・ラヨヴィッチ(指揮)スロヴェニア室内管弦楽団 録音:1977年10月31日

CD3)室内楽作品
⑨「インヴィカティオ(呼び出し)」(2002)~クラリネットとピアノのための
⑩「ソネット」(1976)~ピアノのための
⑪「エクスプレッションズ」(1968/rev.1972)~ヴァイオリン、チェロとピアノのための
⑫「アトリエIII」(1976)~チェロとテープのための
⑬「イヴェントⅡ」(2002)~木管五重奏のための
⑭「REJ」(1995)~アコーディオンのための
⑮「カラー・サークル」(2008)~7人のパフォーマーのための

⑨デュオ・クラリピアノ:【デュシャン・ソディヤ(Cl)、タチャナ・カウチッチ(Pf)】 録音:2009年
⑩ニーナ・プレシチェク(Pf) (録音時期不記載)
⑪トリオ・ローレンツ(ピアノ三重奏) 録音:1977年
⑫シリル・シュケリャネク(Vc) 録音:1976年12月2日
⑬スロウィンド木管五重奏団 録音:2003年4月15日
⑭クレメン・レーベン(アコーディオン) 録音:2003年
⑮MD7・コンテンポラリー・ミュージック・アンサンブル(録音時期不記載)

CD4)合唱作品
⑯「世界への讃辞」(1988)~混声合唱と器楽のための
⑰「四季」(1975-97)~ユースあるいは女声合唱のための
⑱「希望」(2000)~ユースあるいは女声合唱と4つのメロディカのための
⑲「呪文」(1986)~ユースあるいは女声合唱のための
⑳「死者の歌」(1991)~独唱、混声合唱、打楽器とシンセサイザーのための
㉑「もうひとつの愛」(2004)~アルト、混声合唱と器楽のための

⑯ヨジェ・フュルスト(指揮)トーン・トムシッチ音楽院合唱団、ほか 録音:1988年6月27日
⑰⑱カルミナ・シレク(指揮)カルミナ・スロヴェニカ(合唱)
⑱オルガン&メロディカ奏者達 録音:2001年
⑲トマズ・ピルナット(指揮)スロヴェニア放送ユース合唱団 録音:2011年5月24日
⑳マチヤズ・シュチェク(指揮)スロヴェニア放送室内合唱団、+打楽器・鍵盤楽器奏者 録音:1995/96年
㉑ストヤン・クレト(指揮)スロヴェニア放送室内合唱団、ほか 録音:2004年
※スロヴェニア現代音楽界を代表する作曲家ロイゼ・レビッチ(b.1934)の業績を初期作品から近作までを管弦楽曲、室内楽、合唱作品を通して俯瞰する内容。レビッチは当初、考古学を学んでいたが、後に作曲に転向、現在、スロヴェニア国内では国宝級の芸術家として指導的立場にある。彼の作品も他の同時代の多くの作曲家と同様、その作曲年代によって、時代の流行、トレンドと無関係ではない。初期はベルク風の表現主義的なものに始まり、やがて第二次大戦後の様々な傾向、つまりリゲティの音群作法とクラスター、ブーレーズを思わせるきらびやかな音楽(セリー技法を折衷しているものと思われる)、あるいはメシアンの影響が見られ、それらが適宜折衷されている。またテープ音楽(チェロとテープのための「アトリエII」)やパフォーマンス作品(7人のパフォーマーのための「カラー・サークル」)など実験音楽にも接近している。合唱作品では実験性と中欧、東欧の民族性とロマンティシズムが融合された独自の世界が確立されており、どれも美しい作品(どこかカナダの作曲家マリー=シェーファーの合唱曲を思わせる)である。

※その他 ZKPスロヴェニア放送レーベル新譜
ZKP 115820
「マティヤ・クレチッチ(b.1988)作品集」
「ノー・ウォーク、ノー・トーク」(2018)~ヴァイオリンとチェロのための
「レニーの100周年のために」(2018)
 ~フルート、オーボエ、イングリッシュ・ホルン、クラリネット、フレンチ・ホルン、ファゴット、ピアノのための
「前奏曲とエレジー」(2014-2015)~2つのヴァイオリンのための
「カット」(2017)~混声合唱とアンサンブルのための
「肉屋の娘」(2016)~無伴奏混声合唱のための
「秋の静けさ」(2010/2018)~ドゥドゥクと弦楽のための

マティヤ・クレチッチ(Vn)
エマ・クレチッチ(Vc)
トーン・トムシッチ音楽院合唱団
ボシュチャン・ゴムバッチ(ドゥドゥク)
シモン・クレチッチ(指揮)
スロヴェニア放送弦楽オーケストラ
ほか
録音:2019年
※マティヤ・クレチッチはスロヴェニアの若手作曲家。クラーゲンフルト(オーストリア)の地域の音楽学校でヴァイオリンと作曲を学び、現在は映画や演劇に楽曲を提供、またロック・バンドとも共演するボーダー・レスの作曲家、ヴァイオリニストとして活動している。この作品集は彼のそうした活動を反映してか、クラシックの編成でありながら軽妙、ポップで親しみ易い作品でまとめられている。さしずめスロヴェニアのマイケル・トーク(アメリカのポスト・ミニマルの作曲家)といったところ。「レニーの100周年のために」は言わずと知れたレナード・バーンスタインに捧げられた作品で、そんなところに彼の音楽嗜好が窺い知れる。その反面、ドゥドゥク(二重リードによるアルメニアの民族楽器で篳篥とサックスを合わせたような独自の音色を出す)と弦楽合奏のための「秋の静けさ」ではゆったりした音楽のなかにひなびたリリシズムを表現されている。

ZKP 117800
「XYLOCORDA」~マリンバとギターのための作品集」
ティレン・スラカン(b.1993):2つの像
ヴェンデリン・ビッツァン(b.1982):ヴァルデルスランドにて
ウロシュ・ロイコ(b.1954):ミクロルディイとペトラズミ
マチャズ・ヤルツ(b.1954):夢
ペーター・シャヴリ(b.1961):シロ・コルダ
エマヌエル・セジョルネ(b.1961):カリエンタ

ペトラ・ヴィドマール(マリンバ)
イジドル・エラゼム・グラフェナウアー(ギター)
録音:2019年、2020年
※CDの最後に収録されているエマヌエル・セジョルネ(フランスの作曲家でマリンバ協奏曲が有名)以外はスロヴェニアの作曲家である。全てマリンバとギターというありそうでない編成のために書かれている。マリンバのペトラ・ヴィドマールはリュブリャナ音楽院で学んだ後、スロヴェニア放送響のティンパニー奏者の傍らソリストとしても活動している。ギターのグラフェナウアーはリュブリャナ音楽院で学んだ後、ヴェニスのベネデット・マルチェロ音楽院、ザグレブ音楽院で研鑽を積み、古典、ジャズ、フラメンコなど様々なジャンルを横断するギタリストとして活躍している。内容はいずれも民族音楽やポップスの影響が感じられる親しみ易いもの。